クリティカルパスとは丨プロダクトマネージャー用語集
最終更新日:
2025年5月7日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発

① 定義
クリティカルパス法(CPM)は、プロジェクト全体をアクティビティ‐ネットワークで表し、完了日を決定づける「浮き(Total Float)=0」の連続経路=クリティカルパスを計算するスケジューリング手法です。1950 年代に J.E. Kelley と M.R. Walker が工業プラント工期短縮のために体系化し、現在は PMBOK® にも組み込まれた標準技法となっています。
② 重要性/目的
効果 | 説明 | エビデンス |
---|---|---|
遅延リスクの可視化 | クリティカルタスクを特定し、1 日の遅れが完工日に直結する作業へ資源を集中できる | PMI 調査で「遅延要因の37 %がスケジュール不備」と報告(smartsheet.com) |
正確な期間見積り | ネットワーク上の最長経路が“理論最短工期”となり、バッファ管理が容易 | ProofHub 2025 ガイドで“複雑案件で±5 %以内の精度”を実証(proofhub.com) |
コスト・資源最適化 | クリティカル外のタスクはフロートを活かしリソース平準化できる | Wrike 2024 レポートで“再配置により工数-12 %”(wrike.com) |
ステークホルダー説明容易 | Gantt × CPM 図で「どこを死守すれば納期が守れるか」を一目で共有 | ProjectManager CPM ツール事例(projectmanager.com) |
③ 実務例:簡易ネットワークでクリティカルパスを算出
ID | アクティビティ | 依存 | 期間 (日) | ES | EF | LS | LF | Float |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | 基礎工事 | ‒ | 4 | 0 | 4 | 0 | 4 | 0 |
B | 柱建込 | A | 3 | 4 | 7 | 4 | 7 | 0 |
C | 配線 | A | 2 | 4 | 6 | 7 | 9 | 3 |
D | 壁面施工 | B | 4 | 7 | 11 | 7 | 11 | 0 |
E | 検査 | C,D | 2 | 11 | 13 | 11 | 13 | 0 |
クリティカルパス:A → B → D → E(工期13日)
C は Float=3 日あるため遅延許容。現場ではこの Float を利用して高負荷日の技能者を D に再配置し、超過残業を回避できました。
④ 関連用語(内部リンク)
- ガントチャート — スケジュール可視化
- WBS — タスク分解の前提
- Scope Management — スコープ確定で遅延要因を抑制
- MoSCoW優先度 — 非クリティカル作業の削減検討
- RICEスコアリング — 変更要求の優先度付け
⑤ 外部参考リソース
出典 |
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ProjectManager Guide “Critical Path Method”(projectmanager.com) |
PMI Library “Critical Path Calculations”(pmi.org) |
Wrike Blog “Critical Path as Easy as 1-2-3”(wrike.com) |
ProofHub Article “CPM Complete Guide (2025)”(proofhub.com) |
Smartsheet “Critical Path Examples & Templates”(smartsheet.com) |