UXデザイナーからプロダクトマネージャーへ!仕事内容や役割の違いを徹底解説
最終更新日:
2024年11月5日
ライター:
PM Career編集部
プロダクトマネージャー
「UXデザイナーとして働いているけど、プロダクトマネージャーに転職したいと考えている」
「プロダクトマネージャーとUXデザイナーって、どんな違いがあるの?」
近年、IT業界においてプロダクトマネージャーの需要が高まっています。UXデザイナーとしてユーザー体験向上に携わってきた経験を活かし、より広い視点でプロダクト開発を牽引したいと考えている方もいるのではないでしょうか?
しかし、プロダクトマネージャーとUXデザイナーの仕事内容や役割は異なるため、転職を検討する際には、それぞれの違いを理解しておくことが重要です。
そこでこの記事では、UXデザイナーとプロダクトマネージャーの業務内容や役割、必要なスキルなどを比較しながら、UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職について解説していきます。
UXデザイナーとプロダクトマネージャーの仕事内容
まずは、UXデザイナーとプロダクトマネージャーそれぞれの仕事内容について詳しく見ていきましょう。
UXデザイナーの仕事内容とは?
UXデザイナーは、ユーザーが製品やサービスを利用する際に感じる体験(ユーザーエクスペリエンス)を設計・改善する専門家です。ユーザーが製品やサービスをどのように利用し、どのような感情を抱くのかを深く理解し、より使いやすく、満足度の高い体験を提供することを目指します。
具体的には、以下の様な業務を行います。
- ユーザーリサーチ:ユーザーインタビューやアンケートなどを通じて、ユーザーのニーズや課題を把握する
- ペルソナ作成:ユーザー像を具体的に定義し、ターゲットユーザーを明確にする
- ユーザーフロー作成:ユーザーが製品やサービスをどのように利用するかを可視化する
- ワイヤーフレーム・プロトタイプ作成:製品やサービスの画面設計や操作性を設計する
- UIデザイン:製品やサービスの見た目(インターフェース)をデザインする
- ユーザビリティテスト:作成したデザインをユーザーに実際に試してもらい、使いやすさを評価する
- デザイン改善:テスト結果に基づいて、デザインを改善する
UXデザイナーは、ユーザー中心の視点で製品やサービスの設計・開発に携わることで、ユーザーの満足度向上とビジネスの成功に貢献します。
プロダクトマネージャーの仕事内容とは?
プロダクトマネージャーは、製品やサービスの企画から開発、リリース、そして運用まで、製品のライフサイクル全体を管理する役割を担います。市場の動向やユーザーのニーズを分析し、製品の戦略策定、ロードマップの作成、開発チームとの連携、そして製品の成功へと導く責任を負います。
具体的には、以下の様な業務を行います。
- 市場調査:競合製品分析や市場トレンド分析などを行い、製品の市場におけるポジションを明確にする
- 製品戦略策定:製品のビジョンや目標を設定し、製品の将来像を描く
- ロードマップ作成:製品開発のスケジュールや優先順位などを計画する
- 要件定義:開発チームに対して、製品の機能や仕様を明確に伝える
- 開発チームとの連携:開発チームと密に連携を取りながら、製品開発を推進する
- 製品リリース:製品を市場にリリースする
- 製品運用:リリース後の製品の運用状況をモニタリングし、改善を続ける
- KPI設定と分析:製品の成功指標を設定し、分析を行う
プロダクトマネージャーは、多岐にわたる関係者と連携しながら、製品の成功に責任を持つ、非常に重要な役割を担っています。
UXデザイナーとプロダクトマネージャーの業務の違い
UXデザイナーとプロダクトマネージャーの業務の違いを、表にまとめました。
項目 | UXデザイナー | プロダクトマネージャー |
---|---|---|
主な業務 | ユーザー体験の設計・改善 | 製品のライフサイクル全体を管理 |
視点 | ユーザー中心 | ビジネスとユーザーのバランス |
対象 | ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンス | 製品全体 |
主な成果物 | ワイヤーフレーム、プロトタイプ、UIデザイン | 製品ロードマップ、要件定義書、KPI設定 |
主なスキル | ユーザーリサーチ、デザインスキル、ヒューマンインタフェースの知識 | 市場調査、戦略策定、開発チームマネジメント、データ分析 |
このように、UXデザイナーはユーザー体験の向上に焦点を当て、プロダクトマネージャーは製品全体の成功に責任を持つという違いがあります。
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UXデザイナーとプロダクトマネージャーの役割
UXデザイナーとプロダクトマネージャーは、それぞれ異なる役割を担っています。それぞれの役割を理解することで、両者の関係性や連携の重要性をより深く理解できるでしょう。
UXデザイナーの役割:ユーザー体験を向上させる
UXデザイナーの役割は、ユーザーにとって使いやすい、そして心地よい製品やサービスを提供することです。そのため、ユーザーの行動や心理を深く理解し、ユーザーの視点に立ったデザインを設計・開発することが求められます。
UXデザイナーは、ユーザーリサーチを通じてユーザーのニーズを把握し、ペルソナを作成することでターゲットユーザーを明確化します。その後、ユーザーフローやワイヤーフレーム、プロトタイプなどを用いて、ユーザー体験を設計していきます。
そして、ユーザビリティテストを実施し、ユーザーからのフィードバックを収集、デザインを改善していくことで、より良いユーザー体験を実現していくのです。
プロダクトマネージャーの役割:プロダクトの成功を導く
プロダクトマネージャーの役割は、製品やサービスを成功に導くことです。そのため、市場の動向やユーザーのニーズを把握し、製品戦略を策定、開発チームと連携し、製品のリリースと運用までを管理することが必要なのです。
プロダクトマネージャーは、市場調査や競合分析を行い、製品のポジショニングを明確にします。そして、製品のビジョンや目標を設定し、製品ロードマップを作成します。開発チームに対しては、製品の要件定義を行い、開発を推進します。
さらに、製品のリリース後も、KPIを設定し、分析を行い、継続的な改善を行うことで、製品の成功を目指します。
UXデザイナーとプロダクトマネージャーの役割の違い
UXデザイナーとプロダクトマネージャーの役割の違いを、表にまとめました。
項目 | UXデザイナー | プロダクトマネージャー |
---|---|---|
主な役割 | ユーザー体験向上 | 製品の成功 |
視点 | ユーザー視点 | ビジネス視点とユーザー視点のバランス |
責任範囲 | ユーザーインターフェース、ユーザーエクスペリエンス | 製品全体 |
目標 | ユーザー満足度向上 | 製品の収益化、市場シェア拡大など |
関係者 | デザイナー、エンジニア、リサーチャーなど | 開発チーム、営業チーム、マーケティングチームなど |
UXデザイナーはユーザー体験の向上、プロダクトマネージャーは製品の成功という、それぞれ異なる目標を達成するために、重要な役割を担っています。
UXデザイナーからプロダクトマネージャーへ転職できる?
UXデザイナーの経験を活かして、プロダクトマネージャーに転職することは可能でしょうか?UXデザイナーのスキルや経験は、プロダクトマネージャーの仕事にどのように活かせるのか、詳しく見ていきましょう。
UXデザイナーのスキルと経験で活かせること
UXデザイナーとして培ってきたスキルや経験は、プロダクトマネージャーの仕事にも大きく活かせます。特に、ユーザーのニーズを深く理解し、それを製品開発に反映させる能力は、プロダクトマネージャーにとって非常に重要なスキルです。
- ユーザー視点での製品開発
UXデザイナーは、日頃からユーザーの行動や心理を分析し、ユーザー視点で製品を設計・開発する経験を積んでいます。この経験は、プロダクトマネージャーが製品戦略を策定したり、開発チームに要件を伝えたりする際に役立ちます。 - ユーザーリサーチ能力
UXデザイナーは、ユーザーインタビューやアンケートなどを実施し、ユーザーのニーズや課題を把握する能力に長けています。この能力は、プロダクトマネージャーが市場調査や競合分析を行い、製品戦略を策定する際に役立ちます。 - コミュニケーション能力
UXデザイナーは、デザイナー、エンジニア、リサーチャーなど、様々な関係者と連携して仕事を進める経験を積んでいます。この経験は、プロダクトマネージャーが開発チームや営業チーム、マーケティングチームなど、様々な関係者とコミュニケーションを取り、製品開発を推進する際に役立ちます。 - 問題解決能力
UXデザイナーは、ユーザーの課題を解決するために、デザインを改善していく経験を積んでいます。この経験は、プロダクトマネージャーが製品開発における様々な課題に対処する際に役立ちます。
UXデザイナーとしての経験は、プロダクトマネージャーに必要なスキルを育成する上で、大きなアドバンテージになります。
プロダクトマネージャーに必要なスキル
UXデザイナーからプロダクトマネージャーに転職するためには、UXデザイナーとしてのスキルに加えて、プロダクトマネージャーに必要なスキルを身につける必要があります。
プロダクトマネージャーに必要なスキルは大きく分けて、ビジネススキル、テクニカルスキル、コミュニケーションスキル、リーダーシップスキルの4つに分類されます。
ビジネススキル
ビジネススキルは、市場分析、競合分析、製品戦略策定、収益化など、製品のビジネス面を理解し、成功に導くためのスキルです。
- 市場分析:市場の動向や顧客ニーズを分析する
- 競合分析:競合製品の強みや弱みを分析する
- 製品戦略策定:製品のビジョンや目標を設定する
- 収益化:製品の収益モデルを設計する
- ビジネスモデル:製品のビジネスモデルを理解する
テクニカルスキル
テクニカルスキルは、製品開発に必要な技術的な知識やスキルです。
- 開発プロセス:ソフトウェア開発プロセス(アジャイル開発など)を理解する
- プログラミング:基本的なプログラミング知識を持つ
- データベース:データベースの基礎知識を持つ
- クラウド:クラウドサービス(AWS、Azure、GCPなど)の基礎知識を持つ
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、開発チーム、営業チーム、マーケティングチームなど、様々な関係者と円滑にコミュニケーションを取り、製品開発を推進するためのスキルです。
- 関係者との連携:開発チーム、営業チーム、マーケティングチームなど、様々な関係者と連携する
- 要件定義:開発チームに対して、製品の要件を明確に伝える
- プレゼンテーション:製品のアイデアや計画を関係者に説明する
- 交渉力:関係者と交渉し、合意形成を図る
リーダーシップスキル
リーダーシップスキルは、開発チームを率いて、製品開発を成功に導くためのスキルです。
- チームマネジメント:開発チームをまとめ、モチベーションを維持する
- 目標設定:チームメンバーに目標を共有し、達成を促す
- フィードバック:チームメンバーにフィードバックを行い、成長を促す
- 問題解決:チームで発生した問題を解決する
これらのスキルをバランス良く習得することで、プロダクトマネージャーとして活躍できるようになります。
UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職における注意点
UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職を成功させるためには、いくつか注意すべき点があります。
市場のニーズと求めるスキル
近年、プロダクトマネージャーの需要は高まっていますが、同時に多くの企業が求めるスキルレベルも上がっています。特に、データ分析やビジネススキル、リーダーシップスキルなどは、プロダクトマネージャーとして活躍するために欠かせないスキルです。
転職活動前に、求人情報や業界動向をしっかり調査し、どの様なスキルが求められているのかを把握することが重要です。
転職活動におけるポイント
UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職活動では、UXデザイナーとしての経験をアピールするだけでなく、プロダクトマネージャーに必要なスキルを身につけていることを示すことが重要です。
- ポートフォリオの作成
UXデザイナーとしての経験をまとめたポートフォリオを作成し、ユーザー視点でのデザインや問題解決能力をアピールしましょう。さらに、プロダクトマネージャーに必要なスキルを身につけていることを示すために、製品戦略策定やデータ分析などの経験も盛り込みましょう。 - 自己PRの作成
UXデザイナーとしての経験と、プロダクトマネージャーに必要なスキルを結びつけ、自己PRを作成しましょう。例えば、「ユーザーリサーチの経験を通じて培ったユーザーニーズの理解力」や「デザイン改善を通じて培った問題解決能力」などをアピールし、プロダクトマネージャーとして活躍できるポテンシャルを伝えましょう。 - 面接対策
面接では、ユーザー視点での製品開発経験や、プロダクトマネージャーに必要なスキルについて質問されることが多いです。事前にしっかりと準備を行い、自信を持って答えられるようにしておきましょう。
これらのポイントを意識することで、転職活動がよりスムーズに進みます。
キャリアプランと自己分析
プロダクトマネージャーへの転職は、キャリアにおける大きな転換点となります。そのため、転職前にしっかりとキャリアプランを立て、自分自身の強みや弱みを理解しておくことが重要です。
特に、UXデザイナーとして培ってきたスキルと、プロダクトマネージャーに必要なスキルを比較し、どのようなスキルを強化すべきかを考えてみましょう。自己分析を通じて、自身のキャリアプランとスキルを明確にすることで、より効果的に転職活動を進められます。
プロダクトマネージャーとUXデザイナーに関するよくある質問
UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職を考えている際に、疑問に思うことは多いと思います。ここでは、よくある質問をまとめました。
Q. UXデザイナーとプロダクトマネージャー、どちらが自分に合っているか判断するには?
UXデザイナーとプロダクトマネージャー、どちらの仕事が自分に合っているのか迷う方は、以下の点を参考に考えてみましょう。
質問 | 詳細 | 向いている可能性のある職種 |
---|---|---|
ユーザー体験に関心があるか? |
| UXデザイナー |
製品全体を俯瞰的に見たいか? |
| プロダクトマネージャー |
コミュニケーション能力に自信があるか? |
| プロダクトマネージャー |
データ分析に興味があるか? |
| プロダクトマネージャー |
これらの質問に答えることで、自身の興味や適性、強みを把握し、より適切なキャリアを選択できるでしょう。
Q. UXデザイナーからプロダクトマネージャーに転職する際の注意点は?
UXデザイナーからプロダクトマネージャーに転職する際には、いくつか注意すべき点があります。
- 必要なスキルを身につける
プロダクトマネージャーに必要なスキルは、UXデザイナーとは異なります。特に、ビジネススキル、データ分析スキル、リーダーシップスキルなどは、積極的に学習する必要があるでしょう。PM Schoolのようなオンライン学習サービスを活用するのも有効です。 - 経験を積む
プロダクトマネージャーの経験がない場合は、インターンシップや副業などを通じて、経験を積むことが重要です。 - ネットワークを広げる
プロダクトマネージャーのコミュニティに参加したり、転職エージェントに登録したりすることで、業界の情報を収集し、ネットワークを広げましょう。 - ポートフォリオを充実させる
UXデザイナーとしての経験に加えて、プロダクトマネージャーとしてどのような貢献ができるのかを示せるように、ポートフォリオを充実させましょう。
これらの注意点を踏まえ、計画的に転職活動を進めることが重要です。
まとめ|UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職を成功させるために
UXデザイナーの経験は、プロダクトマネージャーに必要なスキルを身につける上で、大きなアドバンテージになります。ユーザー視点での製品開発経験や、コミュニケーション能力、問題解決能力などは、プロダクトマネージャーとして活躍するために欠かせないスキルです。
UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職を成功させるためには、プロダクトマネージャーに必要なスキルを身につけるだけでなく、市場のニーズや求めるスキルを把握し、計画的に転職活動を進めることが重要です。
ぜひこの記事を参考に、UXデザイナーからプロダクトマネージャーへの転職に挑戦し、より広い視点でプロダクト開発に貢献してください。
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