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リクルート主要プロダクトとPM採用動向ガイド

最終更新日:

2025年6月2日

ライター:

PM Career編集部

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リクルート主要プロダクトとPM採用動向ガイド

リクルートの主要プロダクト一覧(BtoCメディア/BtoB SaaS)

リクルートは国内外で300以上ものプロダクト・サービスを展開しており、日々数千万規模のユーザーに利用されています。主なサービスは生活領域のオンライン情報メディア(BtoC)と、事業者向けソリューション(BtoB)に大別できます。以下は主要プロダクトの一例です:

  • 人材領域(HR領域):求人情報サービス「リクナビ(新卒向け)」や「リクナビNEXT(中途向け)」、アルバイト情報の「タウンワーク」等を運営。グローバルでは求人検索エンジンIndeed(日本国内MAU2,700万人)や転職クチコミサイトGlassdoorなどを擁し、世界規模で人材マッチングサービスを提供しています。
  • 住まい領域(不動産):不動産情報サイト**SUUMO(スーモ)**では、賃貸物件や住宅購入、新築・注文住宅、リフォーム情報まで幅広く提供しています。月間利用者数3,000万人規模の国内最大級の住宅情報メディアであり、関連サービスとしてカウンター(店舗での相談窓口)や引っ越し見積もりサービス等、住まいに関する周辺サービスも展開しています。
  • ライフスタイル領域:日常生活に密着した情報サービス群です。例えばホットペッパーグルメ(飲食店検索・予約、月間利用者数2,000万人)は飲食店探しから予約まで提供し、店舗向け集客支援も行います。同様にホットペッパービューティー(美容院・サロン検索予約)、じゃらん(旅行・宿泊情報)、ゼクシィ(結婚情報)など、グルメ・美容・旅行・結婚といった各分野で圧倒的シェアを持つメディアサービスを運営しています。
  • クルマ領域:中古車情報サイトカーセンサーを中心に、自動車の売買・乗り換え支援サービスを提供しています。ユーザーは希望条件に合う中古車を検索し、販売店とコンタクトできます。
  • まなび(教育)領域:オンライン学習サービススタディサプリでは、小中高生向けの学習教材提供から大学受験対策、英語学習まで網羅しています。そのほか進路情報サイト(進学・資格取得支援)や学校向け教育支援サービスも手掛けています。
  • 業務支援(Airシリーズ等のSaaS):店舗や事業者向けの業務効率化クラウドツール群**「Airシリーズ」を展開しています。例えば、POSレジアプリのAirレジ**、キャッシュレス決済のAirペイ、予約/受付管理のAirリザーブ、シフト管理のAirシフトなど、飲食店・美容サロン・宿泊業など中小事業者の経営を総合支援するSaaSプロダクトを提供しています。これらはリクルートのBtoB領域の中核サービスであり、Airビジネスツールズとして近年特に注力されています。

リクルートが直近注力する領域と戦略

直近のリクルートは、**「マッチングプラットフォームの総本山」**として各領域で事業拡大を図る中、以下の領域に特に注力しています:

  • HRテクノロジー(人材マッチング)領域:リクルートは「Simplify Hiring(仕事探しの圧倒的簡素化)」をキーワードに、人材マッチング市場でのグローバルリーダーを目指しています。具体的には、グローバル展開するIndeedを軸にオンライン完結型の採用支援を強化し、AIやデジタル技術を活用して求職者と企業の最適マッチングを実現する戦略です。新型コロナ以降は求人・採用活動のオンライン化が加速したこともあり、Indeedや関連プロダクトへの投資・開発を一段と推し進めています。国内の新卒・中途向けサービス(リクナビ等)も含め、HR領域全体でテクノロジーによるマッチング精度向上に注力しています。
  • 業務支援SaaS(Airシリーズ)領域:中小企業・店舗の生産性向上を支援するAirシリーズは、リクルートが近年最も力を入れている分野の一つです。コロナ禍では飲食・宿泊業のDX支援策としても注目され、安全・安心・便利なクラウドツールで事業継続を下支えしました。リクルートはAirシリーズを中心に企業の業務効率化・経営力強化に貢献するサービス群の拡大を掲げており、店舗向け予約システムや決済、在庫・資金繰り支援まで含めたトータルプラットフォーム化を目指しています。今後も新機能追加や新規SaaSプロダクト立ち上げに積極的で、当該領域のPMポジション募集も増加傾向です。
  • 住まい領域:創業期からの主要ドメインである住宅情報サービスSUUMOを中心に、住まい領域でも引き続き注力が続いています。SUUMOは成熟期にある巨大プロダクトですが、ユーザー体験の深化周辺サービスの拡充を通じたさらなる成長が図られています。例えば物件検索の利便性向上、新生活準備サービスとの連携、業界DX化への寄与(不動産事業者向けのデータ活用支援等)など、多方面から住まい探しの価値向上に取り組んでいます。歴史の長いプロダクトゆえに技術的刷新やUX改善の余地も大きく、住まい領域のPMには大規模サービスのリニューアル・機能開発をリードする役割が期待されています。

各プロダクトにおけるPMの役割と開発スタイル

リクルートのプロダクトマネージャー(PdM)は、担当プロダクトの成功=成長に向け幅広い職責を担います。その守備範囲は非常に広く、短期的なUI改善から中長期の事業戦略立案、大規模開発の推進まで多岐にわたります。特にリクルートでは数百に及ぶ多種多様なプロダクトを運営しており、各プロダクトの事業規模・フェーズによってPMの業務範囲も変化します。成熟期の巨大サービスか、新規立ち上げ期のプロダクトかによって、求められる役割や日々のタスク比重が異なるのが特徴です。

クロス機能チームによる開発とPdMの立ち位置

リクルートの開発スタイルは領域横断・役割融合型ともいわれ、職種の壁を越えた一体的なチーム体制が特徴です。各プロダクトチームにはUIデザイナー、エンジニア、マーケター、データ分析担当、営業などが所属し、1つのゴール達成に向けて一丸となって動きます。プロダクトマネージャーはそのハブ(中心)として機能し、関係各所と密に連携しながらプロダクト開発をリードします。具体的には、ユーザー調査やデータ分析に基づき施策のアイデア出しから要件定義を行い、デザイナー・エンジニアと協働して開発を進行。プロダクト戦略策定や要求定義といった上流工程をメイン担当しつつ、場合によっては要件定義以降の開発・保守フェーズにも踏み込んで横断的に支援することもあります。このように職能間で柔軟に領域を染み出し合いながらシナジーを生み出す開発手法は、リクルートのプロダクト開発ならではの文化と言えます。

日々の業務も多彩で、デイリーのKPIモニタリング、バックログ優先度の調整、ユーザーインタビュー結果の分析共有、ステークホルダー合意形成、A/Bテスト設計、経営陣へのレポーティングなど、PdMはあらゆる場面に登場します。データドリブンな意思決定とユーザー視点の両立が求められ、チームを牽引しながらプロダクト価値の最大化に努めるポジションです。

BtoCメディアサービスにおけるPMの役割

個人ユーザー向けのBtoCプロダクト(求人・住宅・旅行など各種情報メディア)を担当する場合、常にユーザーファーストでサービス品質を磨き上げることが使命となります。具体的には、「ユーザーに選ばれ続けるサービスにする」ため、UX観点での継続的な改善と機能開発をリードします。短期的にはサイトやアプリのCVR(コンバージョン率)改善やリピート率向上といった指標向上策を講じ、長期的にはユーザーの利用価値を高める新機能追加や体験価値向上策を企画・実行します。またリクルートのメディア事業ではクライアント向け広告商品企画も重要な業務です。掲載企業(求人広告主や不動産会社など)の課題を解決し効果を出すため、広告商品の改善や新メニュー開発にもPdMが関与します。ユーザーとクライアント双方の視点に立ち、プラットフォーム全体のマッチング精度と収益性を両立させるバランス感覚が求められます。

BtoB SaaSプロダクトにおけるPMの役割

企業クライアント向けのSaaSサービス(Airシリーズ等)では、事業者が本来業務に専念できる環境をテクノロジーで実現することがミッションです。PdMは顧客である店舗・企業の抱える煩雑な業務を洗い出し、それを解決・効率化するプロダクト機能を企画・開発します。具体的な業務例としては、UI/UX改善による操作性向上、新規機能追加による導入効果アップなどがあります。短期的な課題対応(例えば管理画面の使い勝手改善等)と、中長期的な視点での新機能開発による顧客価値向上の双方を担います。BtoB領域ではクライアント企業からのフィードバック収集や営業現場との連携も重要で、PM自身が顧客折衝に参加する場面も多くなります。エンジニアリングや業界業務フローへの深い理解を持ち、顧客ニーズをプロダクト要件に落とし込む力が求められます。

採用ニーズが高い領域・組織(求人動向)

リクルートではプロダクトマネージャーの中途求人を常時10~15ポジション程度公開しており、積極的に即戦力人材の採用を行っています。特に近年は前述の**「Simplify Hiring」戦略推進に伴うデジタル投資拡大**の一環でPdMの採用ニーズが高まっており、新規サービス立ち上げや既存プロダクト高度化に対応できる人材を幅広く募集している状況です。

中途採用の募集ポジションはリクルートの各事業ドメインごとに存在します。例えば住宅領域(SUUMO等)のPM、ライフスタイル領域(ホットペッパーグルメ・ビューティー等)のPM、あるいは新規SaaS領域(Airシリーズ等)のPMなどが代表的です。ポジションごとに担当サービスやミッションは異なりますが、いずれも共通してユーザー視点と事業視点のバランス感覚、データドリブンな課題分析力、周囲を巻き込む推進力が求められます。加えて、組織として「確動性」が高い人を重視する文化があります。確動性とは「自分で考え、高い品質でやるべきことを期限までにやり抜く力」のことで、簡潔に言えば主体性と実行力を示す社内評価軸です。この観点から、中途採用でも自ら課題を見つけスピード感を持って解決した経験や、困難な状況でやり抜いたエピソードを持つ人材が高く評価されます。

現在特に採用が強化されているのは、前述の重点領域のプロダクト組織です。具体的には、HR領域のプロダクトチーム(国内求人サービス刷新や新規HR Tech開発など)、Air事業(業務支援SaaS)のプロダクト組織、そしてSUUMOをはじめとする生活領域の大型プロダクト開発組織が挙げられます。加えて、新規事業開発室などゼロからプロダクトを立ち上げる部署の求人も散見され、社内で次々生まれる新サービスのPdMポジション募集が継続的に行われています。プロダクトのライフサイクルフェーズ別に見ると、成長フェーズ(グロース段階)の既存サービスのグループではユーザー基盤拡大や高度化のための増員ニーズがあり、立ち上げフェーズ(0→1段階)の新規サービスでも企画推進要員としてPdMを増強しています。それぞれ求められる素養は多少異なりますが、前者では大規模ユーザー基盤のデータ分析やグロースハック経験が評価され、後者では不確実な中でプロダクトの方向性を描ける企画力・推進力が重視される傾向です。

プロダクトマネージャーに求められるスキル・経験

リクルートのPdMに共通して求められるスキルセットとして、まず挙げられるのはデータ分析力と課題発見力です。日々蓄積される定量データ(アクセス数やCVR、利用頻度等)を追い、必要に応じてユーザーへの定性調査も行いながら、プロダクトの現状課題を構造的に捉えて解決策を導く力が重要とされています。実際の応募要件でも「定量・定性データからの課題抽出と改善仮説立案・KPI策定の経験」は必須条件に含まれています。

次に要件定義・仕様策定スキルも不可欠です。ユーザー視点とビジネス視点を両立させながら、プロダクトのUXデザインからUI設計まで落とし込み、開発チームに正確に伝えるドキュメンテーション力・設計力が求められます。加えてプロジェクトマネジメントやステークホルダーマネジメントの経験も重宝されます。開発プロセス全体を把握し、デザイナー・エンジニアとの協業を推進したり、営業・他部署との調整や合意形成をリードできるコミュニケーション力が重要です。BtoB系のプロダクトでは「エンジニアリングへの理解」や「クライアントとの折衝経験」も求められる場合があります。

歓迎スキル・経験(プラス要素)として挙げられるのは、以下のようなものです:

  • 特定ドメインの知見:不動産領域や人材領域など担当プロダクトの業界知識があると着任後のキャッチアップが速いため歓迎されます。ただしドメイン知識は入社後に習得可能とされ、異業種出身でもプロジェクトマネジメント等で実績を出していれば活躍できるとされています。
  • テクノロジーリテラシー:エンジニア出身でなくても、プロダクト開発の技術スタックや仕組みに対する基本理解は求められます。さらにSQLで自らデータ抽出・分析ができるFigJamやStoryBoardなどのデザインツールでUIプロトタイプを描けるといったスキルがあると選考上有利になるようです。自分でデータ検証やUX検討まで回せる自走力は高く評価されます。
  • 英語力・グローバル対応力:グローバル展開するプロダクト(例:IndeedやAirシリーズの海外展開など)もあるため、英語によるビジネスコミュニケーション力があれば活躍の幅が広がります。ただし必須条件ではありません。

ソフトスキル面では、論理的思考力が全社的に重視されます。大量のデータや複雑な状況でもロジカルに因果を整理し、チームを説得できる説明力・思考力はどの部署でも武器になります。また前述の確動性(主体的に考え抜き行動する力)に加え、プロダクトや事業への情熱、困難にも粘り強く細部までこだわれるこだわり力、そして**継続的に学び成長する意欲(ラーニングアジリティ)**も重要な素養とされています。

中途採用で重視されるポイント(評価視点)

リクルートの中途採用面接では、経歴やスキル以上に「人となり」や「仕事への向き合い方」が重視される傾向があります。実際、同社の採用担当者は「活躍しているPdMに共通する特徴は3つある」として、**「確動性」「ユーザー志向」「学習アジリティ」**を挙げています。これらを兼ね備え、自分ごととして事業・顧客・プロダクトの成功までやり抜ける人物が、リクルートPdMとしてフィットする人材像と言えます。

具体的な評価ポイントとしては、以下のようなものが語られています。

  • 主体性と実行力(確動性):困難な課題に対し受け身にならず自ら打開策を考え、周囲を巻き込みながらやり遂げた経験があるか。実際の合否事例でも、SIer出身者が独学でユーザーデータ分析しプロダクト改善提案を行ったエピソードや、新規分野でPoCからMVP開発を半年で成し遂げた実績など、自ら成長機会を作り出し成果を上げた例が高く評価されています。面接でも「前職で直面した課題にどう向き合い、何を学びどう乗り越えたか」を深掘りされるケースが多いようです。
  • ユーザー志向・共感力:プロダクトを通じてユーザーの課題をどれだけ真剣に考えたか、ユーザー体験を良くするためにどんな工夫をしたか、といった姿勢が問われます。単に事業目標の達成だけでなく、「このプロダクトを通して社会や生活をどう良くしたいのか」という熱い想いを持っているかも見られます。異業種出身でもユーザー視点での発想ができる人は歓迎されます。
  • 学習意欲・適応力:未知の分野にも柔軟にキャッチアップし、常に新しい知識やスキルを貪欲に吸収し続ける姿勢が評価されます。変化の激しいIT業界でプロダクトを牽引するには、自ら学び成長し続けるラーニングアジリティが不可欠です。面接官から「最近自分で学んだことは何か?それをどう仕事に活かしたか?」といった質問がなされることもあります。
  • 論理的思考・課題解決力:過去のプロジェクトでの意思決定プロセスや問題解決手法について、論理的に説明できるかどうかも見られます。複雑な問題をどのように整理し、どんなデータや根拠で解決策を導いたか、思考の筋道を示すことが重要です。リクルートでは定量的な検証文化が強いため、ファクトベースで議論できる資質が求められます。

以上のように、リクルートのプロダクトマネージャー職は幅広いプロダクト群を舞台に、多様なキャリア背景の人材が活躍できるフィールドです。事業規模は大きくとも社内は実力主義・ベンチャー気質が色濃く、「自ら考え抜き行動する人」には大きな裁量と成長機会が与えられます。転職を検討する読者の方は、本記事で紹介したプロダクトの全体像や採用ニーズを踏まえつつ、自身がどの領域でどんな価値提供ができるかをイメージしてみてください。リクルートでのPMキャリアは、生活者と産業を繋ぐダイナミックなサービス創造の最前線であり、挑戦とやりがいに満ちたフィールドとなるでしょう。

参考資料・出典:リクルート公式サイト、PM Career「リクルートのプロダクトマネージャー転職ガイド【2025年最新版】」、リクルートサービスデザイン室noteブログ、その他プレスリリース・転職情報サイト。

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