デイリースクラムとは丨プロダクトマネージャー用語集
最終更新日:
2025年5月8日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発

この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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① デイリースクラムの定義
デイリースクラム(別名 daily stand-up)は、スクラムチームの開発者が毎営業日、同じ時間・同じ場所で行う 15 分以内のタイムボックスイベントです。目的は「スプリントゴールに向けた進捗を検査し、次の 24 時間の計画を適応すること」。プロダクトオーナーやスクラムマスターも、開発作業をしている場合は開発者として参加します。
② デイリースクラムの重要性/導入効果
効果 | 説明 | データ |
---|---|---|
進捗の早期逸脱検知 | ブロッカー・遅延を 1 日以内に顕在化し、手戻りを最小化 | 17th State of Agile:リードタイム短縮を 74 % が実感(Breeze) |
チームフォーカス向上 | 1 日単位の小目標で自己管理が促進、マルチタスクを抑制 | Businessmap 2025:生産性+21 %(2288549.fs1.hubspotusercontent-na1.net) |
コミュニケーションコスト削減 | 情報共有を定位置・定時間に集約し、 ad-hoc ミーティングが減少 | Asana 2025: stand-up 実施チームは会議時間 ▲18 %(Asana) |
リモートでも透明性維持 | Slack / Teams + ボットで非同期 stand-up が可能 | Geekbot 調査:リモート採用率 48 %(Geekbot) |
③ デイリースクラムの構成と典型トピック
要素 | 詳細 | ヒント |
---|---|---|
タイムボックス | 15 分以内(チーム ≤ 10 人推奨) | 超過時は話題を “Parking Lot” へ |
参加者 | 開発者必須/PO・SM は必要に応じ参加 | 進捗と障害共有に集中、ステータス報告会にしない |
主な質問例 | 1. 昨日やったこと2. 今日やること3. 障害・助けが必要なこと | フォーマットは自由、ゴールは「明日の計画を作る」 |
アウトプット | 更新済みスプリントバックログと行動計画 | バーンダウンチャートを同時更新すると効果大 |
④ デイリースクラムのベストプラクティス & よくある落とし穴
ベストプラクティス | 効果 |
---|---|
同時刻 & 同場所(または同ツール)固定 | 認知負荷を下げ、欠席率を下げる |
可視化ツール共有(看板・バーンダウン) | 状況把握を 15 分内に完結 |
“Parking Lot” ルール | 深掘り議論を切り分け、タイムボックス厳守 |
障害は“誰が解決するか”まで決定 | アクション不在を防止 |
落とし穴 | リスク |
---|---|
ステータス報告会化(PO/SM へ説明) | チーム間の対話が薄れ、自己管理が機能しない(Jira apps for agile teams | Easy Agile) |
長時間化(15 分超) | 集中力低下・会議疲労 |
“昨日/今日” 質問の固定化 | 進捗よりゴール達成度にフォーカスする柔軟性を失う |
欠席/遅刻の常態化 | 障害が隠れ、透明性低下 |
⑤ 非同期スタンドアップの選択肢
ツール | 特徴 | 適合ケース |
---|---|---|
Geekbot / DailyBot | Slack / Teams に質問を送信、集計ダッシュボード | フルリモート・多時差チーム |
Jira Stand-up 模式 | チケット更新から自動要約 | Issue トラッカーを中核にするチーム |
GitHub Check-in ワークフロー | PR コメントで Q&A | OSS やコード駆動文化 |
ポイント:同期→非同期に切替える際は “障害の即時可視化” を KPI に設定し、レスポンスタイムをモニタリング。
⑥ 関連用語
- スクラム — フレームワーク母体
- スプリント — デイリースクラムが属するタイムボックス
- Burndown Chart — 進捗可視化
- RACIマトリクス — 障害の責任所在明確化
- Change Management — スタンドアップ形式変更時の抵抗対策
⑦ 外部参考リソース
出典 |
---|
Scrum Guide 2020 — Daily Scrum 節(スクラムガイド) |
Easy Agile Blog “Daily Scrum: Best Practices & Pitfalls”(Jira apps for agile teams | Easy Agile) |
Asana “How to Run Effective Stand-Up Meetings” (2025/3)(Asana) |
Geekbot “Daily Stand-up Meeting Guide” (2024)(Geekbot) |
State of Agile Report 17th — Agile Benefits & Adoption(Breeze) |