【受託開発と自社開発】プロダクトマネージャーを目指すなら知っておきたい!SIerとWeb業界の開発体制の違い
最終更新日:
2024年8月5日
ライター:
PM Career編集部
転職・キャリア情報
「IT業界のプロダクトマネージャーに興味があるけど、SIerってどんな会社?Web業界とは何が違うの?」
近年、IT業界への転職を考える上で、プロダクトマネージャーは人気の職種です。しかし、いざ転職活動を始めようと思っても、SIerやWeb業界といった言葉が出てきて、違いが分からず戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか?
特に、SIerとWeb業界では開発体制が大きく異なり、プロダクトマネージャーの役割や働き方も変わってきます。そのため、それぞれの開発体制の特徴を理解した上で、自分に合った働き方を見極めることが重要です。
そこでこの記事では、IT業界未経験の方や、これからプロダクトマネージャーを目指す方に向けて、SIerとWeb業界の開発体制の違いについて、開発プロセス、チーム体制、顧客との距離感などを中心に詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、今後のキャリアプランの参考にしてみてください。
SIerと受託開発って?
まずは、SIerと受託開発について、基本的な部分を解説していきます。
SIerとは、システムインテグレーターの略で、企業の業務システム構築や運用を請け負う企業です。受託開発とは、企業からシステム開発の依頼を受け、その依頼に基づいてシステムを開発することです。
SIerは、受託開発を行う企業の代表的な例です。つまり、SIerは受託開発を行う企業の1つの形態といえるのです。
そもそもSIerって何?どんな仕事をしているの?
SIerとは、「System Integration(システムインテグレーション)」を略した言葉で、企業や組織の業務効率化や課題解決を目的として、最適な情報システムの設計・開発・導入・保守などを一貫して請け負う企業のことです。
幅広い業界のクライアントに対して、大規模なシステム開発から小規模なシステム開発まで、多岐にわたるプロジェクトに携わっています。官公庁や金融機関など、社会インフラを支えるような重要なシステム開発を任されることも多く、高い技術力と信頼性が求められます。
「受託開発」とは?開発の流れをわかりやすく解説
受託開発とは、クライアントから依頼を受けて、システムやソフトウェアを開発することです。SIerは、主にこの受託開発をビジネスモデルとしています。具体的な開発の流れは以下の通りです。
- 顧客との要件定義:クライアントが抱える課題や要望をヒアリングし、開発するシステムに求める機能や性能などを明確化する
- 設計:要件定義に基づいて、システムの全体構成や機能、データ構造などを設計する
- 開発:設計書に基づいて、プログラミング言語を用いてシステムを開発する
- テスト:開発したシステムが設計書通りに動作するか、不具合がないかなどを検証する
- 納品:テストが完了したシステムをクライアントに納品する
- 保守・運用:納品後も、システムの安定稼働を支えるため、運用・保守業務を行う
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SIerの受託開発とWeb業界の自社開発、何が違うの?
それでは、SIerの受託開発と、Web業界における自社開発では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
開発プロセスを比較!ウォーターフォールとアジャイル
システム開発の手法には、大きく分けて「ウォーターフォールモデル」と「アジャイル開発」の2つがあります。
ウォーターフォールモデルとは?
ウォーターフォールモデルは、滝の水が上から下に流れ落ちるように、要件定義から設計、開発、テスト、リリースといった工程を順番に進めていく開発手法です。
各工程が明確に分かれており、進捗管理がしやすいというメリットがあります。SIerの受託開発では、このウォーターフォールモデルが一般的です。
アジャイル開発とは?
アジャイル開発は、短い開発期間で、設計・開発・テストを繰り返しながら、柔軟にシステム開発を進める手法です。市場の変化や顧客のニーズに迅速に対応できるというメリットがあります。Web業界の自社開発では、このアジャイル開発が主流となっています。
項目 | ウォーターフォールモデル | アジャイル開発 |
---|---|---|
特徴 | 各工程を順番に進める | 短いサイクルで開発を繰り返す |
メリット | 進捗管理がしやすい | 市場の変化に柔軟に対応できる |
デメリット | 開発期間が長くなる傾向がある | 計画管理が難しい |
SIer/Web業界 | SIer | Web業界 |
チーム体制の違いを解説!それぞれのメリット・デメリットは?
開発体制の違いとして、チーム体制も挙げられます。
SIerのチーム体制
SIerでは、プロジェクトごとにチームが組まれ、プロジェクトマネージャー、システムエンジニア、プログラマー、テスターなど、それぞれの役割を担うメンバーで構成されます。大人数のチームで開発を進めることが多く、階層構造がはっきりとしている点が特徴です。
Web業界のチーム体制
Web業界では、少人数のチームで開発を進めることが多く、役割が固定されず、開発メンバー全員が幅広い業務に携わるケースも少なくありません。フラットな組織構造で、スピード感を持った開発を行うことが求められます。
項目 | SIer | Web業界 |
---|---|---|
チーム規模 | 大人数 | 少人数 |
階層構造 | 明確 | フラット |
役割分担 | 明確 | 流動的 |
コミュニケーション | 文書中心 | 対面中心 |
意思決定 | 上位者が行う | チーム全体で行う |
顧客との距離感の違いは?
SIerの受託開発とWeb業界の自社開発では、顧客との距離感も大きく異なります。
SIerの場合
SIerでは、直接の顧客はクライアント企業であり、開発するシステムを利用するユーザーとは直接的な接点が少ないケースが多いです。そのため、ユーザーの声を直接聞きながら開発を進めることは、難しいといえるでしょう。
Web業界の場合
Web業界では、自社でサービスを開発・運営しているため、開発チームとユーザーとの距離が非常に近いです。ユーザーの反応をダイレクトに感じながら開発を進めることができ、ユーザーの声を迅速にサービスに反映できる点が特徴です。
SIerとWeb業界、プロダクトマネージャーの役割の違い
SIerとWeb業界では、プロダクトマネージャーの役割や求められるスキルも異なります。
SIerのプロダクトマネージャー
SIerのプロダクトマネージャーは、主にクライアントとの折衝や、プロジェクト全体の進捗管理、品質管理などを担当します。大規模なプロジェクトに関わる機会が多く、予算管理やリソース管理など、高いマネジメント能力が求められます。
また、クライアントの要望を正確に理解し、開発チームに伝えるコミュニケーション能力も必要不可欠です。
Web業界のプロダクトマネージャー
Web業界のプロダクトマネージャーは、市場調査やユーザーニーズの分析、開発ロードマップの作成、プロダクトの改善など、プロダクトの企画から開発、リリース後の運用まで、幅広い業務に携わります。
ユーザーに価値を提供することにコミットし、データに基づいてプロダクトを成長させていく、高い戦略性と推進力が求められるのです。
それぞれの開発体制のメリット・デメリット
最後に、SIerの受託開発とWeb業界の自社開発、それぞれのメリット・デメリットをまとめます。
【SIerの受託開発】メリット・デメリット
以下が、SIerの受託開発のメリットとデメリットです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
【Web業界の自社開発】メリット・デメリット
一方、Web業界の自社開発のメリット・デメリットは以下です。
メリット | デメリット |
---|---|
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【どっちが向いている?】あなたのキャリアパスを考える
SIerの受託開発とWeb業界の自社開発、どちらが良い・悪いはなく、それぞれの特性を理解した上で、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。
以下に、それぞれの仕事内容と向いている人の特徴をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
| SIerの受託開発 | Web業界の自社開発 |
---|---|---|
仕事内容 |
|
|
向いている人 |
|
|
どちらの道を選ぶにしても、自分の興味や能力、将来のキャリアプランをしっかり考えて、最適な選択をしてください。
SIerとWeb業界の開発体制に関するよくある質問
SIerとWeb業界の開発体制に関して、よくある質問をまとめました。
Q. SIerからWeb業界への転職は可能ですか?
はい、可能です。SIerで培った技術力やプロジェクトマネジメント能力は、Web業界でも高く評価されます。ただし、Web業界とSIerでは、求められるスキルや開発体制が異なるため、事前の情報収集やスキルアップが重要です。
Q. Web業界で働くためには、プログラミングスキルは必須ですか?
プロダクトマネージャーは、開発者のように高度なプログラミングスキルは求められません。ただし、技術的な知識を持っていることで、開発チームとのコミュニケーションが円滑に進みます。そのため、基本的なプログラミング知識を身につけておくことをおすすめします。
まとめ|自分に合った開発体制を見極め、プロダクトマネージャーを目指そう!
SIerの受託開発とWeb業界の自社開発では、開発プロセスやチーム体制、顧客との距離感が大きく異なり、プロダクトマネージャーの役割や求められるスキルもそれぞれ異なります。
それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分のキャリアプランに合った働き方を見極めましょう。
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