メルカリへのプロダクトマネージャー転職ガイド【2025年版】
最終更新日:
2025年5月13日
ライター:
PM Career編集部
プロダクトマネージャー転職

この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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企業概要
株式会社メルカリは2013年2月1日に山田進太郎氏が創業し(当初社名は株式会社コウゾウ)、同年7月にスマホ向けフリマアプリ「メルカリ」をリリースしました。グループのミッションは「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」で、上場市場は東証プライムです。日本国内向けのメルカリアプリは2025年現在、月間2,000万人以上が利用し、累計取引数は30億点超、年間GMV(流通総額)は約8,816億円に達しています。また、米国版メルカリもMAU約493万人、年間GMV約11億ドルで成長中です。決済サービスの「メルペイ」は利用者約1,394万人を抱え、さらにブロックチェーン事業(メルコイン)や新規事業にも積極的に乗り出しています。
- 設立・上場:2013年2月1日設立、2018年6月に東証マザーズ上場(現在は東証プライム)。
- グループミッション:“あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる”。
- サービス:フリマアプリ「メルカリ」(日本最大級のC2Cマーケットプレイス)、スマホ決済「メルペイ」、ネットショップ構築サービス「メルカリShops」など。
- 新規事業例:2023年に副業・スポットワーク市場向けサービス「メルカリ ハロ」を開始、2025年3月には格安SIM「メルカリモバイル」を開始など多角化を推進。
- 従業員数:2024年6月時点で連結約2,080名(平均年齢36歳)。世界50カ国以上から約2,200人以上が参加し、多様性を重視しています。
- 平均年収:約1,166万円(2024年6月期・連結)。プロダクトマネージャー職では求人情報上900万~1,500万円程度のレンジが目安となっています。
プロダクトと組織紹介
主力プロダクト
メルカリグループの主軸はやはりC2Cフリマアプリ「メルカリ」です。加えて、スマホ決済サービスとして「メルペイ」が2019年に開始され、現在ではポイント還元・与信付きのQR決済として利用者を拡大中です。ネットショップ開設サービス「メルカリShops」では個人だけでなく小売店向けのECプラットフォームも展開しています。近年は新規事業にも注力しており、2023年4月には副業・ギグワーク市場向けの「メルカリ ハロ」を立ち上げ、「働く」をもっと気軽にする世界づくりを目指しています。さらに2025年には、通信サービス「メルカリモバイル(格安SIM)」の提供を開始しました。これらに加え、暗号資産事業(メルコイン)や2025年1月から始動した大阪大学との共同研究所「メルカリR4Dラボ」など、幅広い分野でサービス・研究を進めています。
開発組織
開発組織は主に事業・サービス単位で編成されており、各プロダクトや機能領域ごとにプロダクトマネージャー(PM)やエンジニア、デザイナー、QAなどからなるチームが存在します。例えば、メルカリ本体のマーケットプレイス部門、スマホ決済部門(メルペイ)、新規事業部門などに分かれ、それぞれPMが事業計画から要件定義、開発までをリードします。2025年には大阪大学との共同研究所も設立するなど、R&D組織の強化も進めています。
PMの役割
メルカリのPMは、プロダクト戦略の立案からロードマップ策定、仕様定義、開発推進、KPI管理まで幅広く担います。近年では新規事業立ち上げや外部パートナーとの連携業務が増加し、単なるUI/UX改良だけでなく、アライアンス戦略や新サービス企画もPMが推進する機会が増えています。公式ブログでも「PMの役割が変化し、従来のプロダクト開発中心から新規事業や提携に携わることが増えた」と紹介されています。また、技術的側面に特化する**テクニカルPM(TPM)**ポジションが導入されており、TPMは「How」を重視してエンジニアと密に連携する役割を担います。
採用動向・PM求人情報
メルカリでは中途採用においてプロダクト・ビジネス職を積極的に募集しています。特に中途(経験者)採用が多数派で、2023年度は新卒入社が約12%、中途入社が約88%と、中途比率が非常に高いです。最新の求人動向としては、例えばメルペイ部門でのプラットフォーム系PMやメルカリ ハロのBtoB基盤担当PMなどが募集されています。これらのポジションでは、主に年収900~1,500万円のレンジで提示されており、プロダクトマネジメント経験(1年以上)やエンジニア・デザイナー等との協業経験が求められます。また、メルカリのミッション・バリューへの共感も必須要件とされており、FintechやBtoB SaaS、機械学習活用などの経験があると歓迎されます。
採用プロセスは一般的なIT企業と同様ですが、応募者が非常に多いため書類選考の通過率は極めて低く、4~5%程度とされています。応募・書類選考を経て一次面接(PdM部門のマネージャーや人事担当)では職歴やKPI達成経験、技術・企画の知識、志望動機(「なぜメルカリか?」)が深掘りされます。場合によっては「重要なKPIを伸ばす施策」のようなケース面談が行われることもあります。最終面接では部門責任者(PdM部門のHead/VP)と人事が面接官となり、より難しい意思決定経験や失敗経験からの学びなど深掘りした質問が多く飛びます。文化適合性も重視され、「Go Bold」「All for One」などメルカリのバリューに即した行動ができそうかが見られます。内定後のオファーレターには年収レンジ、職級、ストックオプションの有無などが明記され、正式オファーとなります。応募から内定までは一般に1~2ヶ月程度です。
年収情報
メルカリ全体の2024年6月期連結平均年収は約1,166万円(平均年齢36歳)で、技術系職の平均はこれを上回る傾向にあります。プロダクトマネージャー職に関しては、求人情報上で提示される予定年収が概ね900万~1,500万円程度です。なお、中途採用では年俸制が基本で、賞与やストックオプションについてはオファー時に明示されるケースが多いです。実際に最終面接後のオファーでは年収レンジや職位、ストックオプションの付与有無が提示されます。また、昇給改定は年2回行われます。
面接対策
メルカリの選考では、上記のように形式的には書類選考→一次面接→最終面接→内定の流れですが、候補者によってはカジュアル面談(現場のPdMと気軽に話す場)やケース面接が挟まれる場合もあります。一般的な流れは以下の通りです:
- 応募・書類選考・適性検査 – 公式採用サイトやエージェント経由で応募し、場合によりWeb適性検査を受験します。社内制度で応募前に社員と話せるカジュアル面談を行うことも可能です。
- 一次面接 – PdM部門のマネージャーや人事が面接官です。経歴・実績やプロダクト開発経験を深掘りし、志望動機や「なぜメルカリか?」を確認します。事例問題(例:「メルカリのある重要KPIを伸ばすには?」)でデータ思考や仮説立案力を試されることもあります。
- 最終面接 – 部門責任者(Head/VP)や人事責任者が登場します。プロダクト戦略上の難しい意思決定や失敗経験とその学びなどを深堀りされます。メルカリのコアバリューへの共感・文化適合(例:挑戦から学ぶ「Go Bold」のマインド)が評価ポイントになります。
- 内定・オファー提示 – 年収レンジ、職位、ストックオプション等の条件が提示され、合意すれば入社となります。
面接でよく問われる質問例としては、「なぜメルカリか?」(志望動機)や**「重要なKPIをどう伸ばすか?」**(プロダクト戦略の思考力)があります。また、失敗経験とそのリカバリー方法について聞かれることも多く、失敗からの学びを具体的に語ることでメルカリの「Go Bold」文化への理解を示せます。その他「PMとしての強み」や「技術トレンドをどう活かすか」など、幅広く経験と考えを問われます。いずれも具体的なエピソードを交えて論理的に回答し、メルカリのカルチャーやビジネス理解を示すことが重要です。
福利厚生と制度
メルカリは働きやすさにも力を入れています。働き方は原則フルフレックス制で、全社的にコアタイム(推奨コラボ時間)は10:00~16:00とされています。基本は週2日以上の出社(本社:六本木ヒルズ)ですが、リモートワークも広く認められており、週2日程度の在宅勤務が可能です。オフィスは完全禁煙で、フリーアドレス制を採用。集中作業用の「Focus Zone」スペースも設けられています。
勤務時間・休暇は年休10日(初年度付与、取得率85%)があり、さらにリラックス休暇として年間3日(時期を問わず自由取得可)、シックリーブ(家族の看護含む病気休暇)として年間10日が付与されます。そのほか産前産後休暇・育児休業・介護休業制度が整っており、男女とも取得実績があります。年間休日数は約125日で、完全週休2日制(シフト制)です。
福利厚生では、通勤交通費全額支給(上限月15万円)、各種社会保険完備のほか、関東ITソフトウェア健康保険組合に加入しており保養施設割引や慶弔支援などが受けられます。学習・育成支援としては、セミナー受講費用や書籍購入費用の補助があり、語学学習支援(チャットランチ、翻訳サポートなど)も充実しています。
- 副業:業務に支障がない範囲で原則認められています。
- 社内交流:クラブ活動費補助やチームビルディング費用補助などで交流を促進しています。
- ツール・機器:ノートPC(Mac/Windows)貸与。コミュニケーションツールはSlack、Google Workspace、Confluence、GitHub、社内AI「Ellie」などを活用しています。
- ライフサポート:産休・育休取得支援、妊活サポート、病児保育費補助、結婚・出産祝い金など、ライフイベントに応じた多彩な制度があります。
FAQ(よくある質問)
- 副業は可能ですか?
メルカリでは原則として副業が認められており、就業規則の範囲内であれば申請が可能です。 - 海外でのリモートワークはできますか?
現状は日本国内勤務が基本で、海外からのリモートは認められていません。ただし、今後制度化を検討中とされています。 - 面接はオンラインのみですか?
通常は全てオンライン面接で進められますが、必要に応じて対面での面接にも応じています。 - 出社必須の時間帯はありますか?
コアタイムとして「10:00~16:00」の時間帯が推奨されています。それ以外はフルフレックスで勤務可能です。 - 席は固定ですか?
オフィスはフリーアドレス制で、好きな席を利用できます。社内には集中作業用の「Focus Zone」も用意されています。 - 通勤手当は支給されますか?
はい、通勤交通費は全額支給です(上限は月15万円)。 - 福利厚生には何がありますか?
言語学習や資格取得支援、技術書購入補助など成長支援が充実しています。また、健康診断や予防接種補助、結婚・出産祝い金、慶弔見舞金など多様な福利厚生制度があります。