ReActフレームワークとは丨生成AI 用語集
最終更新日:
2025年7月16日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発

この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
今すぐ転職をしたい人も、中長期的にしたい方も、PM Careerに無料会員登録をしておくことでキャリアに役立つ情報を定期的にキャッチアップすることが重要です。まだ登録されてない方はこちらからどうぞ。3分で完了します。
PM Careerに無料会員登録する
転職についての情報はこちらをご覧ください!
ReActフレームワークとは?
ReActフレームワークとは、「Reasoning(推論)」と「Acting(行動)」を交互に繰り返すことで、生成AIに思考とアクションのループ構造を持たせ、より高度な問題解決やタスク実行を可能にする手法です。2022年に発表されたこのフレームワークは、AIが人間のように思考しながら行動する仕組みとして注目を集めています。
ReActの基本構造
ReActフレームワークでは、AIが以下のプロセスを繰り返し実行します:
- Reasoning(推論):与えられた課題や状況をもとに、思考を言語化
- Acting(行動):外部ツールの呼び出しや情報取得など、実際のアクションを実行
- Observation(観察):行動の結果や取得情報を受け取り、再度思考に反映
このループにより、単なる文章生成だけでなく、探索・判断・実行を組み合わせた柔軟な振る舞いが可能となります。
なぜReActが重要なのか?
従来の生成AIでは、与えられたプロンプトに対して一度きりの出力を返す形式が主流でした。しかし複雑なタスクやリアルタイムの外部情報取得が必要なケースでは、以下の課題がありました:
- 一問一答では柔軟性が足りない
- プロンプトに情報をすべて詰め込むのが困難
- 判断と行動の分離により誤解が起こる
ReActはこの課題を解決し、**「考えて→行動して→結果を踏まえてまた考える」**という人間に近いプロセスをAIに実装します。
代表的なユースケース
- ツール使用エージェント:計算・検索・ファイルアクセスなど、複数ツールを組み合わせて活用するエージェントの中核ロジック
- LangChainやLangGraphでの実装:ReActはLangChainなどのエージェント機構に組み込まれ、ツール呼び出しやメモリとの連携に使われます
- 段階的な意思決定支援:理由づけを挟みながら結論を導く対話や説明生成など
ReActの出力例(簡略)
Thought: 質問の答えを得るにはGoogle検索が必要だ
Action: Search["最新のプロダクトマネジメント手法"]
Observation: "OKRとアウトカム重視のフレームワークが注目されています"
Thought: 回答の構成が見えてきた
...
Final Answer: 最新の手法としてはOKRとアウトカムベースのアプローチが挙げられます
このように、「Thought → Action → Observation」の繰り返しによって、AIが段階的に情報を収集・整理しながらアウトプットを生成していきます。