Gemini Code Assistの基礎的な使い方|VSCodeでの設定から開発効率化の実践テクニックまで
最終更新日:
2025年8月22日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発
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この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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はじめに
「Gemini Code Assistの使い方がよくわからない」
「GitHub Copilotと何が違うの? 」
「自分の開発効率は本当に上がる?」
Google製AIコーディング支援ツール「Gemini Code Assist」について、このような疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか。新しいツールに興味はあるものの、実際の業務で役立つのか、セキュリティは大丈夫なのか、具体的な情報がなければ導入するのは難しいかもしれません。
この記事ではGemini Code Assistの基本的な使い方から、開発効率を飛躍的に向上させる実践的なテクニックまで、丁寧に解説します。VSCodeへの簡単なセットアップ手順や競合ツールとの違い、業務利用で欠かせないセキュリティについて等、この記事を読めばそれらの疑問が解決します。
Gemini Code Assistをあなたの最強のコーディングパートナーにするために、第一歩を踏み出しましょう。
Gemini Code Assistとは?Googleが開発した次世代AIコーディングパートナー
Gemini Code Assistは、Googleが提供する最先端のAIコーディング支援ツールです。単なるコード補完ツールではなく、開発の企画から実装、テスト、レビューに至るまで、ソフトウェア開発のライフサイクル全体をサポートする「パートナー」のような存在です。
Gemini Code Assistの定義と特徴の要点は、こちらをご覧ください。
その心臓部には、Googleの高性能AIモデル「Gemini」が搭載されています。このAIは、膨大な公開コードだけでなく、Google CloudのAPIや技術ドキュメントも学習しています。そのため、開発の文脈を深く理解し、的確で質の高いサポートを提供できるのです。
GitHub Copilotとの違いは?3つの大きな特徴
多くの開発者が気になるのが、先行するGitHub Copilotとの違いでしょう。
GitHub Copilotの仕組みと基本機能の概要は、こちらをご覧ください。
Gemini Code AssistにはCopilotとは一線を画す、いくつかの際立った特徴があります。どちらのツールが自分の開発スタイルに適しているか判断するために、まずはその大きな違いを理解することが重要です。
ここでは、Gemini Code Assistが持つ3つの大きな特徴を、Copilotと比較しながら見ていきましょう。
比較項目 | Gemini Code Assist | GitHub Copilot |
---|---|---|
コンテキスト理解 |
|
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クラウド連携 |
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機能の多様性 |
|
|
特徴1:最大100万トークン!プロジェクト全体を把握する広大なコンテキスト
Gemini Code Assistの最大の武器は、最大100万トークンという、他の追随を許さない広大なコンテキストウィンドウです。これは、非常に分厚い技術書を丸ごと記憶できるほどの情報量に相当します。この能力により、ツールは単に開いているファイルだけでなく、プロジェクト全体のコードベースを文脈として理解できます。
例えば、別ファイルで定義した独自の関数やクラスの仕様を正確に把握した上で、適切なコードを補完・生成してくれます。これにより、プロジェクトの規模が大きくなるほど、その真価を発揮し、より一貫性のある高品質なコード開発が可能になります。
特徴2:Google Cloudとのシームレスな連携
Gemini Code Assistは、その名の通りGoogle Cloud Platform(GCP)との連携に絶大な強みを持ちます。GCPの最新APIやサービス、推奨される開発手法を深く学習しているため、GCPを使った開発を大幅に効率化します。
また、企業での利用を想定したセキュリティ機能も万全です。Google CloudのIAM(Identity and Access Management)と連携したアクセス管理や、VPC Service Controlsによるデータ保護などに対応しているからです。これにより、企業の厳しいセキュリティ要件を満たしながら、安全にAIの恩恵を受けられます。
特徴3:チャットからエージェントモードまで多彩なコーディング支援機能
Gemini Code Assistは、単にコードを補完するだけのツールではありません。チャット形式でAIに質問したり、コードの説明を求めたりといった対話的な開発が可能です。
さらに特筆すべきは、複雑なタスクを自動実行する「エージェントモード」の存在です。「このプロジェクトの依存関係を更新して、セキュリティ脆弱性を修正して」といった自然言語の指示一つで、AIが自律的に作業を進めてくれます。
これは、未来の開発スタイルを先取りする機能であり、開発者を定型作業から解放し、より創造的な仕事へと導いてくれるでしょう。
料金プランと対応環境|まずは無料版から試そう
Gemini Code Assistの導入を検討するにあたり、気になるのは料金と、自分の開発環境で使えるかどうかです。結論から言うと、個人開発者なら強力な機能を無料で試すことができ、多くの主要な開発環境に対応しています。
まずは気軽に利用を開始して、その実力を体感してみるのがおすすめです。
個人向け無料プランと法人向け有料プランの違いを比較
Gemini Code Assistには、個人の学習や小規模開発向けの「Individual(無料版)」から、チームや企業向けの「Standard」「Enterprise」プランまで、幅広いニーズに対応する料金体系が用意されています。各プランごとに利用できる機能やセキュリティレベルが異なるため、自分の目的に合ったプランを選ぶことが重要です。
プラン名 | 月額料金(1ユーザーあたり) | 主な対象者 | 機能・特徴 |
---|---|---|---|
Individual(無料版) | 無料 | 個人開発者、学生、学習者 |
|
Standard | 22.80ドル | 中小企業の開発チーム |
|
Enterprise | 54ドル | 大企業、高度なセキュリティ要件を持つ組織 |
|
対応IDE・プラットフォーム
Gemini Code Assistは、多くの開発者が日常的に使用している主要なIDE(統合開発環境)やクラウド開発環境を幅広くサポートしています。
- Visual Studio Code (VS Code)
- JetBrains IDEs (IntelliJ IDEA, PyCharm, WebStorm, Android Studio など)
- Cloud Shell Editor
- Cloud Workstations
対応言語
公式では「public domain内のすべてのプログラミング言語」に対応しているとされており、Python、Java、JavaScript、TypeScript、Go、C++、SQLなど、モダンな開発プロジェクトで利用される主要言語は幅広くサポートされています。最新の対応状況については公式サイトをご確認ください。
【5分で完了】VSCodeでのGemini Code Assist│基礎的な使い方と初期設定
ここからは、多くの開発者に利用されているVisual Studio Code (VSCode) を例に、Gemini Code Assistの具体的なセットアップ手順と基本的な使い方を解説します。
拡張機能のインストールから最初のコード生成まで、わずか5分ほどで完了します。
一緒に手を動かして、AIコーディングの世界を体験してみましょう。
VSCode代替として注目のAIエディタCursorの概要は、こちらをご覧ください。
Step1:拡張機能のインストールとGoogleアカウントでのログイン
まずは、VSCodeにGemini Code Assistの機能を追加します。
- VSCodeの左側のアクティビティバーから「拡張機能」アイコン(四角が4つ組み合わさった形)をクリックします。
- 検索ボックスに「Gemini Code Assist」と入力し、Googleから提供されている公式の拡張機能を探します。
- 「インストール」ボタンをクリックして、拡張機能をインストールします。
- インストールが完了すると、VSCodeの左側にGeminiのアイコンが表示されます。
- Geminiアイコンをクリックし、「Sign in」というボタンから、お使いのGoogleアカウントでログインします。
- ブラウザが開き、認証を求められるので許可します。
これでセットアップは完了です。
Step2:チャットで質問・コード生成を試す
セットアップが完了したら、早速チャット機能を使ってみましょう。これは、AIと対話しながら開発を進めるための強力な機能です。
- VSCodeのGeminiアイコンをクリックして、チャットパネルを開きます。
- パネル下部の入力欄に、AIへの指示や質問を入力します。
プロンプトの例
- 質問する
"Pythonのデコレータとは何ですか?コード例を交えて簡潔に説明して。"
- コードを生成する
"JavaScriptで、今日の日付を'YYYY-MM-DD'形式で返す関数を作成して。"
このように、自然な日本語で指示するだけで、AIが的確な回答やコードを返してくれます。
Step3:インラインでのコード補完・スマートアクションを体験
Gemini Code Assistの真骨頂は、コーディング中のリアルタイムサポートです。
- インライン補完
コードを書いている途中で、AIが文脈を読み取り、次に続くコードの候補を灰色で表示します。
提案が適切であればTab
キーを押すだけで、コードが自動的に入力されます。
これにより、タイピング量が劇的に減り、開発スピードが向上します。 - スマートアクション
エディタ上でコードの一部を選択すると、電球アイコン(クイックフィックス)が表示されます。
これをクリックすると、「ユニットテストを生成」「コードをリファクタリング」といった、文脈に応じた便利なアクション(スマートアクション)を提案してくれます。
生産性を最大化する!Gemini Code Assist実践テクニック6選
基本的な使い方がわかったら、次はいよいよ応用編です。Gemini Code Assistのポテンシャルを最大限に引き出し、日々の開発業務を効率化するための、より実践的なテクニックをご紹介します。
実践精度を高めるプロンプト設計の基本は、こちらをご覧ください。
これらのテクニックをマスターすれば、あなたの開発の生産性は、大きく向上するでしょう。
(1)自然言語で一瞬!コード生成&リファクタリング
最も基本的かつ強力な使い方は、自然言語からのコード生成です。単に「関数を作って」と指示するだけではなく、より具体的に要件を伝えるのがコツです。
- プロンプト例(コード生成)
"ユーザーのプロフィール情報(名前、メールアドレス、年齢)を引数として受け取り、バリデーションを行うPython関数を生成してください。名前は必須、メールは形式チェック、年齢は18歳以上とします。"
また、既存のコードをより良くするためのリファクタリングも得意です。読みにくいコードを貼り付けて、「このコードを可読性が高くなるようにリファクタリングして」と指示するだけで、保守性の高いコードに改善してくれます。
(2)面倒な定型作業を自動化!ユニットテスト・ドキュメント作成
開発者にとって、品質担保のために重要であり、しかし時には面倒に感じるのがユニットテストやドキュメントの作成です。Gemini Code Assistはこれらの定型作業を自動化し、負担を大きく軽減します。
作成した関数を選択し、スマートアクションから「Generate Unit Tests」を選ぶだけで、テストコードの雛形を自動で生成してくれます。同様に、「Add Documentation」を選択すれば、関数の引数や返り値に基づいたドキュメントコメント(DocString)を瞬時に作成できます。
これにより、開発者はより創造的なコアロジックの実装に集中できるようになるでしょう。
(3)複雑なコードも即理解!コード解説・デバッグ支援
チーム開発では、他の人が書いた複雑なコードを読み解く場面が頻繁にあります。
そんな時、理解に苦しむコードをチャットに貼り付け、「この正規表現は何をしていますか?」「このSQLクエリの処理内容をステップバイステップで説明して」と質問してみましょう。AIが難解なロジックを、わかりやすい日本語で解説してくれます。
また、エラーが発生した際にはエラーメッセージ全体をコピーして、「このエラーの原因と解決策を教えて」と尋ねることで、デバッグ時間を大幅に短縮できます。
(4)チーム開発を効率化!GitHub連携による自動コードレビュー
チームリーダーやマネージャーにとって特に魅力的なのが、GitHubとの連携機能です。この機能を有効にすると、開発者がプルリクエストを作成した際に、Geminiが自動でコードレビューを行います。
変更点の要約、潜在的なバグの指摘、コーディング規約違反の警告などをコメントとして自動投稿してくれます。これにより、人間が行うレビューの負荷が軽減され、レビュアーはより本質的なロジックの妥当性などに集中できます。
結果として、チーム全体の開発速度とコード品質の標準化を同時に実現できるのです 。
(5)複雑なタスクを自動実行!「エージェントモード」の活用法
Gemini Code Assistが持つ未来的な機能が「エージェントモード」です。これは、複数のステップにまたがる複雑なタスクを、AIが自律的に実行してくれる機能です。
エージェント型の設計思想と活用の全体像は、こちらをご覧ください。
例えば、チャットで以下のように指示します。"@workspace このプロジェクトで使われている古いライブラリを全て特定し、最新バージョンに更新してください。その後、全てのユニットテストを実行して、失敗しないことを確認してください。"
この一つの指示で、AIは依存関係のチェック、更新、テスト実行までの一連の作業を自動で行います。まるで優秀なアシスタントエンジニアがいるような感覚で、開発を進められます。
(6)日本語の指示・コメントはどこまで通じる?
日本の開発者にとって、日本語での指示がどれだけ正確に機能するかは重要なポイントです。検証した結果、Gemini Code Assistは非常に高いレベルで日本語を理解します。
日本語プロンプト例 | 結果の評価 | 備考 |
---|---|---|
| ◎ 意図を汲み取り、 | シンプルな指示は全く問題なし。 |
| ◎ | 仕様の細部まで理解可能。 |
| △ 曖昧な指示。一般的なスタイルを適用するが、期待通りとは限らない。 | 「モダン」のような主観的な言葉より、具体的な指示が望ましい。(例:「ボタンに丸みを持たせて」) |
曖昧な表現よりも、具体的で明確な日本語で指示することが、期待通りの結果を得るためのコツと言えるでしょう。
業務利用で必須!セキュリティとライセンスQ&A
Gemini Code Assistの強力な機能を業務で活用したいと考える一方、企業の機密情報や自社のコードを入力することに不安を感じる方もいるでしょう。
「入力したコードは、AIの学習データとして使われてしまうのではないか?」
「生成されたコードを商用利用しても、ライセンス的に問題ないのか?」
ここでは、そうしたセキュリティとライセンスに関する疑問にお答えします。
Gemini活用時の著作権配慮と安全な使い方の要点は、こちらをご覧ください。
Q1. 入力したコードはAIの学習に使われる?
A. いいえ、Enterpriseプランでは学習に利用されません。
これは最も重要な点ですが、Googleはプライバシーポリシーで明確に言及しています。
Gemini Code Assistの有料プラン(StandardおよびEnterprise)では、ユーザーが入力したコードやプロンプトが、モデルの学習や改善のために利用されることは一切ありません。
あなたのコードはあなただけのものであり、他のユーザーへの回答生成に使われたり、Googleのモデルに取り込まれたりすることはないため、企業の機密情報やプロプライエタリなコードも安心して扱うことができます。
これは、業務利用する上での大前提となる、非常に重要な保証です。
Q2. 商用利用は可能?ライセンス規約の注意点
A. はい、商用利用は可能です。ただし、注意点があります。
Gemini Code Assistが生成したコードは、原則として商用利用が可能です。ただし、生成AI全般に共通する注意点として「ライセンスの引用」を理解しておく必要があります。
Gemini Code Assist は、大規模なオープンソースコードを含むデータで学習しています。生成されたコードに既存のコードが長文で引用されている場合には、その出典を明示する機能があります。開発者は提示された出典情報をもとに、自社のライセンスポリシーと照らし合わせることが重要です。
この仕組みを正しく理解し活用することで、意図しないライセンス違反のリスクを回避し、コンプライアンスを遵守した開発が可能になります。
まとめ:Gemini Code Assistを使いこなし、開発を効率的に進めよう
Gemini Code Assistは単なるコード補完ツールではなく、広大なコンテキスト理解とGoogle Cloudとの深い連携、そしてエージェントモードによるタスク自動化を武器に、あなたの開発体験を根本から変革するポテンシャルを秘めています。
もちろん、AIが生成したコードを鵜呑みにせず、最終的な判断は開発者自身が行う必要があります。しかし、この強力な「パートナー」を使いこなすことで、面倒な定型作業から解放され、より創造的で価値の高い仕事に集中できるようになるはずです。
まずは本記事で紹介した手順を参考に、あなたのVSCodeに無料版をインストールしてみてください。日々の開発が今までより快適に進められるはずです。
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