生成AI「Gemini」とは?基本的な機能と使い方・応用事例を解説
最終更新日:
2025年8月12日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発
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この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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はじめに
「GoogleのAI、Geminiが便利らしいけど、具体的に何ができてどう使えばいいの?」
「ChatGPTは聞くけれど、Geminiとは何が違うのだろう?」
このような疑問を持つ人もいるのではないでしょうか?Geminiは私たちの仕事や学習、さらには日常生活を大きく変える可能性を秘めたツールです。
この記事では、Geminiの基本的な使い方から他のAIとの違い、そしてあなたの生産性を向上させる具体的な活用術まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。この記事を読めばGeminiの全貌を理解でき、明日からGeminiを使いこなすための知識が身につくはずです。
そもそもGoogleのAI「Gemini」とは?ChatGPTとの違いも解説
Gemini(ジェミニ)とは、検索エンジンでおなじみのGoogleが開発した、最新の生成AIモデルです。ユーザーが入力した質問や指示に対して、まるで人間と対話しているかのように、自然な文章やアイデア、画像などを生成してくれます。
Geminiの定義とモデルについては、こちらをご覧ください。
最大の特徴は、Googleが持つ膨大な情報や最新技術を背景に持っている点です。これにより、他のAIにはない強みを発揮します。まずは、Geminiが持つ核心的な3つの特徴を見ていきましょう。
特徴①:Google検索と連携し、最新情報に基づいた回答が可能
Geminiは、常に最新のWeb情報にアクセスできるという大きな強みを持っています。これは、リアルタイムの情報が反映されるGoogle検索と直接連携しているためです。
例えば、多くのAIが苦手とする「昨日のニュースについて要約して」といった質問にも、正確に答えられます。最新のトレンド分析や時事問題に関する情報収集において、非常に信頼性の高いツールといえるでしょう。
特徴②:テキスト・画像・音声を扱う「マルチモーダルAI」
Geminiは「マルチモーダルAI」と呼ばれています。これは、文章(テキスト)だけでなく、画像や音声といった複数の種類の情報を同時に理解し、処理できる能力を指します。
例えば、スマートフォンのカメラで撮影した花の写真をGeminiに見せて「この花の名前は何ですか?」と質問できます。また、会議の音声を要約させたり、グラフの画像を読み取らせてその内容を分析させたりすることも可能です。
このように、テキストだけにとどまらない幅広い応用力を持っています。
GeminiとBard、ChatGPTの違いを分かりやすく比較
「Bard(バード)」という名前を聞いたことはありませんか?これはGeminiの旧称であり、現在はGeminiに統合されています。
また、「ChatGPTと何が違うのか?」と気になる人もいるのではないでしょうか?Geminiと代表的なAIであるChatGPTの主な違いを、以下の比較表にまとめました。
項目 | Gemini | ChatGPT |
---|---|---|
開発元 | OpenAI | |
主な特徴 | Googleサービスとの連携、最新情報へのアクセス、マルチモーダル能力 | 自然で創造的な対話、汎用性の高さ |
得意なこと |
|
|
情報ソース | Google検索(リアルタイム) |
|
有料プラン | Gemini Advanced | ChatGPT Plus / Team / Enterprise |
どちらかが一方的に優れているというわけではなく、それぞれに得意分野があります。最新情報を扱ったり、Googleのサービスと連携させたりするならGemini、創造的なアイデア出しや汎用的な対話ならChatGPT、といったように目的によって使い分けるのがおすすめです。
【5分で完了】Geminiの始め方|PC・スマホアプリの登録方法
Geminiを始めるのは非常に簡単です。普段お使いのGoogleアカウントがあれば、特別な登録はほとんど必要ありません。ここでは、PC(ブラウザ版)とスマートフォンアプリでの始め方をそれぞれ解説します。
PC(ブラウザ版)でのアカウント登録とログイン手順
PCでGeminiを始める手順は、以下の通りです。
- 公式サイトにアクセス
お使いのWebブラウザで、Geminiの公式サイトにアクセスします。 - ログイン
画面の指示に従い、普段利用しているGoogleアカウントでログインします。 - 利用開始
利用規約やプライバシーポリシーに関する説明が表示されたら、内容を確認して同意します。
これだけで準備は完了です。画面下部にある入力ボックスに、早速質問や指示を入力してみましょう。
スマホアプリのインストールと使い方(iPhone/Android)
スマートフォンなら、専用アプリでさらに手軽にGeminiを利用できます。PC版との大きな違いは、音声入力やカメラ機能との連携がよりスムーズな点です。
Androidの場合
- Google Playストアで「Google Gemini」を検索し、アプリをインストールする
- アプリを開き、Googleアカウントでログインして利用を開始
Googleアシスタントの代わりに、Geminiを標準のアシスタントとして設定することも可能です。
iPhoneの場合
- App Storeで「Google」アプリを検索し、インストールまたはアップデートする
- Googleアプリを開き、画面上部にあるGeminiのタブをタップして利用を開始
現時点では、Googleアプリ内の一機能として提供されています。
これだけは押さえたい!Geminiの基本機能とできること一覧
Geminiは非常に多機能ですが、まずは基本的な「できること」を把握するのが使いこなしへの近道です。あなたの目的や課題に合わせて、どの機能が役立つかを考えてみましょう。ここでは、特に重要な基本機能を6つ紹介します。
文章の作成・要約・校正(メール、ブログ記事)
Geminiの最も基本的な機能は、高品質な文章の作成です。以下のような様々なシーンで活用できます。
- 取引先への丁寧なビジネスメールを作成する
- ブログ記事の構成案や見出しを考える
- 長文のレポートやニュース記事を数行に要約する
- 作成した文章の誤字脱字や不自然な表現をチェック・修正する
簡単な指示を与えるだけで、文章作成にかかる時間を大幅に短縮できます。
画像の読み取りと内容説明・画像生成
マルチモーダル機能により、画像を使った対話が可能です。例えば、以下のような使い方ができます。
- 会議で使われたグラフの画像を読み込ませ、その傾向を分析・説明させる
- 手書きのメモを写真に撮り、テキストデータに変換させる
- 「夕焼けの海辺を歩く犬」のようなテキスト指示で、オリジナルの画像を生成させる
アイデアを視覚化したり、画像情報をテキスト化したりする際に非常に便利です。
WebページやPDF、YouTube動画の要約
情報収集の効率を向上させるのが要約機能です。調査したいWebページのURLをGeminiに貼り付けて「この記事を3行で要約して」と指示するだけで、すぐに要点を知ることが可能です。
また、論文などの長いPDFファイルや、1時間を超えるようなYouTube動画の内容も同様に要約できます。これにより、大量の情報を短時間でインプットできるようになります。
プログラミング・コード生成とデバッグ支援
Gemini Code Assistの特徴は、こちらをご覧ください。
エンジニアやプログラミングを学ぶ学生にとっても、Geminiは強力なサポーターになります。
- 「Pythonでcsvファイルを読み込むコードを書いて」といった自然な言葉で指示し、コードを生成させる
- プログラムの実行時に表示されたエラーメッセージを貼り付け、原因と解決策を尋ねる
- 既存のコードをより効率的なものにリファクタリング(改善)してもらう
コーディング作業の効率化や、エラー解決の時間を短縮するのに役立ちます。
多言語への高精度な翻訳
Geminiは単語を機械的に置き換えるだけでなく、文脈を深く理解した上で自然な翻訳を行います。そのため、非常に高精度な翻訳が可能です。
- 海外のニュースサイトの記事を日本語で読む
- 海外の取引先とのメールを、失礼のない自然な英語で作成する
- 旅行先で現地の言葉が分からないときに、リアルタイムで通訳として利用する
グローバルなコミュニケーションの壁を低くしてくれます。
【本領発揮】Google Workspace連携で業務を自動化する使い方
Geminiの真価が発揮されるのが、Google Workspaceとの連携機能です。あなたが普段から利用しているGmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートといったツールにGeminiが統合され、作業効率を飛躍的に向上させます。
まさに、他のAIにはないGeminiならではの強みといえるでしょう。
Gmail:メールの要約と返信文の自動作成
Google Workspace版Geminiの機能概要と使いどころは、こちらをご覧ください。
毎日大量に届くメールの処理は、多くのビジネスパーソンにとって悩みの種です。Gemini for Gmailを使えば、この課題をスマートに解決できます。
- スレッドの要約
長いやり取りが続いているメールスレッドを開くと、Geminiが自動でこれまでの経緯を要約してくれます。重要なポイントを素早く把握できるため、状況理解の時間が大幅に短縮されます。 - 返信文の提案
受信したメールの内容に基づき、Geminiが適切な返信文案を複数提案してくれます。「承知しました」「日程調整します」といった定型的な返信はもちろん、より複雑な内容にも対応可能です。
ドキュメント/スライド:企画書や資料作成を時短
企画書やプレゼンテーション資料の作成は、ゼロから始めると大変な作業です。Geminiは、この「0→1」のプロセスを強力にサポートします。
- 下書き作成(ドキュメント)
「〇〇に関する新商品企画書のたたき台を作成して」と指示するだけで、目的、ターゲット、提供価値などの項目を含んだ骨子を自動で生成します。 - 画像生成(スライド)
「未来の都市をイメージした背景画像」のようにテキストで指示すれば、プレゼンのテーマに合った画像をその場で生成し、スライドに挿入できます。
スプレッドシート:データ分析と表作成の効率化
データ分析や表作成も、Geminiを使えばより直感的になります。複雑な関数や数式を覚える必要はありません。
- データ整理
「A列の都道府県別に、B列の売上を合計した表を作成して」のように、自然な言葉で指示するだけで、データを自動で整理・集計します。 - グラフ作成
分析したいデータ範囲を選択し、「このデータで棒グラフを作成」と指示すれば、最適なグラフを自動で作成・提案してくれます。
【シーン別】Geminiの便利な使い方|すぐに使えるプロンプト活用事例
Geminiの機能を理解したところで、次は具体的な活用シーンを見ていきましょう。「こういう場面では、このように質問・指示すれば良い」というプロンプト(指示文)の例を参考に、ぜひあなたの仕事や生活で試してみてください。
【仕事編】市場調査レポートの骨子を作成する
新規事業の企画などで情報収集が必要な場面で、Geminiは優秀なリサーチアシスタントになります。
プロンプト例:
あなたは優秀なマーケティングアナリストです。
以下のテーマについて、市場調査レポートの骨子を作成してください。
# テーマ
国内のペットテック市場
# 含めるべき項目
- 市場規模の推移(直近5年)
- 主要なプレイヤーとその特徴
- 最近のトレンド(3つ)
- 今後の市場における課題と機会
このように役割や欲しい項目を具体的に指示することで、精度の高い情報を構造化して得られます。
【学習編】専門的な論文を分かりやすく解説してもらう
専門分野の学習において、難解な論文や文献の読解は大きなハードルです。Geminiを使えば、そのハードルを下げることが可能です。
プロンプト例:
以下の論文の要点を、専門知識がない中学生にも分かるように、比喩を交えながら分かりやすく解説してください。
# 論文のタイトル
(ここに論文のタイトルやURL、またはテキストを貼り付け)
# 特に詳しく解説してほしい箇所
- 〇〇理論の基本的な考え方
- この研究が持つ新規性
複雑な情報を自分にとって理解しやすいレベルに変換させることで、学習効率が格段に上がります。
【日常編】旅行計画を立ててもらう
週末の旅行計画など、プライベートな場面でもGeminiは活躍します。面倒な情報収集やプランニングを任せてみましょう。
プロンプト例:
今週末、東京から出発する1泊2日の旅行プランを3つ提案してください。
# 条件
- 予算:1人あたり3万円以内
- 参加者:夫婦2人
- 目的:温泉でのんびりしつつ、美味しいものを食べたい
- 移動手段:公共交通機関
各プランについて、目的地、宿泊施設の候補、おすすめの食事場所、おおよその費用を記載してください。
曖昧な要望を具体的なプランに落とし込んでくれるため、計画を立てる手間を大幅に省けます。
Geminiの料金プランは?無料版と有料版(Advanced)の違いを徹底比較
Geminiは無料で利用を開始できますが、さらに高性能な有料プランも用意されています。ここでは、それぞれのプランで何ができるのか、どんな人におすすめなのかを比較解説します。あなたの利用目的に合わせて、最適なプランを選びましょう。
無料版でできることの範囲と制限
結論から言うと、この記事で紹介した基本的な機能のほとんどは無料版で利用可能です。
- テキストや画像の生成、要約、翻訳
- Google検索との連携による最新情報へのアクセス
- 一部のGoogle Workspace連携機能
日常的な情報収集や簡単な文章作成であれば、無料版で十分にその恩恵を受けられます。ただし、一度に処理できる文章の量や、より複雑な指示への対応能力には制限がある場合があります。
有料版はどんな人におすすめ?契約する価値を判断するポイント
有料版の「Gemini Advanced」を契約すると、Google Workspaceとのより深い連携など、無料版にはない様々な機能を利用できます。無料版との主な違いは以下の通りです。
項目 | 無料版 | Gemini Advanced(有料版) |
---|---|---|
搭載モデル | Gemini 1.5 Pro | Gemini 1.5 Pro |
長文処理能力 | 最大100万トークン | 最大100万トークン |
複雑な推論 | 高度 | 高度 |
Workspace連携 | 一部機能 | 全機能(Gmail、ドキュメント、スプレッドシートなど) |
料金 | 無料 | 月額制(Google One AI Premiumプランに含まれる) |
主な違い | 高性能なAIを無料で利用できる | Google Workspaceでのより深い連携や、より複雑で高度なタスクを、より長く詳細に実行できる |
おすすめのユーザー |
|
|
もしあなたが、Google Workspaceで高度な作業を行ったり、より複雑で詳細なタスクをこなしたりしたいのであれば、有料版を契約する価値は十分にあるでしょう。
Geminiを安全に使うための3つの注意点
生成AIの倫理・安全リスクと実務での対策は、こちらをご覧ください。
Geminiは非常に便利なツールですが、利用する上で知っておくべき注意点もあります。AIを正しく安全に活用するために、以下の3つのポイントを必ず守りましょう。
- 情報の正確性を必ず確認する(ファクトチェック)
Geminiが生成する情報は、常に100%正しいとは限りません。誤った情報や古い情報が含まれている可能性があります。特に重要な情報については、必ず元の情報源を参照するなどしてファントチェックを行う習慣をつけましょう。 - 個人情報や機密情報を入力しない
入力した内容は、AIの学習データとして利用される可能性があります。氏名、住所、電話番号といった個人情報や、会社の内部情報などの機密情報は、絶対に入力しないようにしましょう。 - 著作権に配慮する
Geminiが生成した文章や画像が、意図せず既存の著作物と類似してしまう可能性があります。生成されたコンテンツを商用利用する際などは、著作権を侵害していないか、コピペチェックツールなどを利用して確認することが重要です。
まとめ:Geminiを使いこなし、仕事と日常の生産性を飛躍させよう
この記事で紹介したGeminiについてまとめると、以下のようになります。
- GeminiはGoogle検索と連携し、最新情報や画像・音声も扱えるマルチモーダルAI
- PCやスマホアプリからGoogleアカウント一つで簡単に始められる
- 文章作成や要約、画像生成、翻訳など、多彩な機能を持っている
- 最大の強みはGoogle Workspaceとの連携で、日々の業務を大幅に効率化できる
- 具体的なプロンプトを工夫することで、より精度の高い回答を引き出せる
- 無料版でも十分に高機能ですが、より専門的な作業には有料版が有効
Geminiは、単なる調べものツールではありません。あなたのアイデアを形にし、面倒な作業を代行し、知的好奇心を刺激してくれる、まさに「強力な相棒」です。ぜひこの記事を参考にGeminiを積極的に活用し、あなたの仕事と日常をよりクリエイティブで生産的なものに変えていってください。
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