RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは丨生成AI 用語集
最終更新日:
2025年8月6日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発

この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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RAGの概要:検索と生成を組み合わせた次世代のAI技術
RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、生成AIの文脈理解力と、検索技術の情報精度を組み合わせたハイブリッドなAI手法です。
従来の生成AI(GPTなど)は、あらかじめ学習した知識をもとに回答しますが、「最新情報」や「専門的な正確性」が求められる場面では限界があります。
そこで登場したのがRAGで「まず検索(Retrieval)して、次に生成(Generation)する」という2段階構成によって、より信頼性の高い出力を可能にします。
仕組みを図解で理解:RAGの基本フロー

以下のような流れで処理が進みます。
- ユーザーからの質問を受け取る(例:「ChatGPTはいつリリースされた?」)
- 外部のナレッジベースやドキュメントから該当情報を検索(例:OpenAI公式サイトやWikipediaから)
- 検索結果を参考に、生成モデルが回答を作成
- ユーザーに最終的な応答を返す
このように、RAGは生成モデルを「検索機能付き」にアップグレードする仕組みと言えます。
なぜRAGが注目されているのか?
🔹 正確性と信頼性の向上
生成AIの「幻覚(Hallucination)」と呼ばれる誤情報問題を抑え、根拠のある回答ができるようになります。
🔹 常に最新の情報を参照できる
ChatGPTのようなLLMは学習時点の知識に限られますが、RAGならリアルタイム情報にアクセスできます(例:Web記事、企業内ドキュメントなど)。
🔹 特定用途に最適化できる
企業の社内文書、FAQ、製品マニュアルなどを検索対象とすることで、独自ドメインに特化したAIアシスタントが構築可能です。
実務での活用シーン
活用シーン | 具体例 |
---|---|
社内ナレッジ検索 | 社員が人事制度や福利厚生について質問すると、社内ドキュメントを検索して答えるAI |
法務・医療・研究分野 | 正確な用語や判例、論文をもとにAIが回答を生成 |
カスタマーサポート | 過去の問い合わせやマニュアルを参照しながら、チャットボットが的確に対応 |
代表的なツール・サービス
- LangChain × OpenAI
→ PythonベースでRAG構築が可能。人気のライブラリ。 - LlamaIndex(旧GPT Index)
→ 各種データベースやファイルを柔軟に統合して検索・生成を実現。 - ChatGPT + 自分専用の知識ベース
→ 「カスタムGPT」に社内情報を連携することでRAG的な機能を持たせられる。
まとめ:RAGは「生成AIの実務活用」を一歩進める技術
RAGは、AIによる応答の信頼性を飛躍的に向上させる技術であり、企業の情報活用や業務効率化に欠かせない存在になりつつあります。
今後、あらゆる業界で「検索 × 生成」のハイブリッド活用が主流になると見られており、RAGの理解はAIリテラシーの一歩目です。