プロダクトマネージャー転職を成功させるための市場価値の上げ方
最終更新日:
2025年7月3日
ライター:
PM Career編集部
プロダクトマネージャー転職
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この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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はじめに
「自分のプロダクトマネージャーとしての市場価値は、一体どのくらいなのだろう?」
「どうすればスキルアップして、年収やキャリアを向上させられるのか?」
プロダクトマネージャーとして活躍されている方、またはこれからプロダクトマネージャーを目指す方で、このような疑問や将来に対する漠然とした不安を感じたことはありませんか?急速に変化する市場で自身の価値を正しく認識し、戦略的にキャリアを築いていくことは、とても重要です。
この記事では、現在の転職市場の動向やあなたの市場価値を決定づけている具体的な要素、そしてその価値を飛躍的に高めるための実践的なアクションプランを解説します。この記事を読めば、理想のキャリアを実現するための道筋が明らかになります。
プロダクトマネージャーの転職市場と将来性
まず、プロダクトマネージャーを取り巻く現在の市場環境と、その将来性について見ていきましょう。キャリアを考える上で、自身が立つ市場を正しく理解することは最初の重要な一歩です。
プロダクトマネージャーは、今後ますます需要が高まる、非常に有望なキャリアパスであるといえるでしょう。
2025年の採用動向と市場データを詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
需要は拡大中!プロダクトマネージャーが「市場価値が高い」と言われる理由
近年、多くの企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が経営の最重要課題となっています。それに伴い、ビジネスの成長を牽引する「プロダクト」の成功が、企業の競争力を直接左右するようになりました。
このような背景から、プロダクトの企画から開発、グロースまで一貫して責任を持ち、成功へと導くプロダクトマネージャーの役割が、これまで以上に重要視されています。企業は事業の成否を託せる優秀なプロダクトマネージャーを確保するため、高い報酬を提示してでも採用したいと考えているのです。
これが、プロダクトマネージャーの市場価値が高いと言われる大きな理由です。
年収のリアル|経験・スキル別の年収レンジと今後の見通し
プロダクトマネージャーの年収は、経験やスキル、所属する企業の規模やフェーズによって大きく異なります。自身の現在地を把握し、目標を設定するためにも、リアルな年収レンジを理解しておきましょう。
1,000万円プレーヤーの共通点や具体的な年収相場を把握するには、こちらをご覧ください。
キャリアステージ | 年収レンジ(目安) | 特徴 |
---|---|---|
ジュニアプロダクトマネージャー | 500万円~800万円 | プロダクトマネジメントの一部を担当。シニアメンバーのサポートを受けながら経験を積む段階。 |
ミドルプロダクトマネージャー | 800万円~1,200万円 | 1つまたは複数のプロダクトを自律的に担当。チームの中心としてプロダクトを推進する。 |
シニアプロダクトマネージャー / リードプロダクトマネージャー | 1,200万円~1,800万円 | 難易度の高いプロダクトや複数プロダクト群を担当。事業戦略にも深く関与し、後進の育成も担う。 |
VPoP / CPO | 1,500万円以上 | 経営層として、プロダクト組織全体の戦略やビジョンを策定。経営責任を負う。 |
企業タイプ | 年収傾向 |
---|---|
スタートアップ | 資金調達フェーズによるが、ストックオプションなどを含めると高額になる可能性。裁量権が大きい。 |
メガベンチャー | 比較的高水準で安定。大規模サービスの経験が積める。 |
大手事業会社 | 福利厚生が手厚く安定しているが、年功序列の傾向が残る場合もある。近年、DX推進で専門人材の報酬は上昇傾向。 |
今後もプロダクトマネージャーの需要は高まり続けると予測されており、それに伴い年収水準も上昇していく可能性が高いでしょう。特に、高度な専門性や希少な経験を持つプロダクトマネージャーは、さらに高い評価を得ることが期待できます。
あなたの市場価値はどこで決まる?評価を決める5つの重要要素
プロダクトマネージャーの市場価値は、単一の物差しで測れるものではありません。「実績」「スキル」「経験」といった複数の要素が複雑に絡み合って、あなたの市場価値を形成しています。ここでは、特に重要とされる5つの要素を、その影響度とともに解説します。
【影響度:非常に高い】実績:プロダクトを成功に導いた定量的な成果
あなたの市場価値を最も雄弁に物語るのは、具体的な「実績」です。特に、ビジネスインパクトを数値で示せる定量的な成果は、採用企業にとって最も分かりやすい評価指標となります。
職務経歴書や面接では、担当したプロダクトでどのような成果を出したかを具体的に語れるように準備しておくことが極めて重要です。
- 売上・利益の向上:「担当プロダクトの売上を2年で300%成長させた」
- ユーザー数・顧客獲得数の増加:「新規機能のリリースにより、MAU(月間アクティブユーザー数)を前年比150%にした」
- 顧客満足度の改善:「ユーザーインタビューとA/Bテストを繰り返し、NPS(ネットプロモータースコア)を20ポイント改善した」
- コスト削減:「業務プロセスの改善により、開発コストを年間1,000万円削減した」
これらの実績は、あなたがプロダクトを通じて事業に直接貢献できる人材であることを証明する、強力な武器となります。
【影響度:高い】スキル:専門性とポータブルスキル
プロダクトマネージャーには、専門的なスキルと、どのような環境でも通用するポータブルスキルの両方が求められます。これらのスキルセットが、あなたの市場価値を支える土台となります。
転職で評価されるスキルマップと習得方法の詳細は、こちらをご覧ください。
スキル分類 | 具体的なスキル例 |
---|---|
専門スキル |
|
ポータブルスキル |
|
これらのスキルをバランス良く身につけ、実際の業務で発揮していくことが価値向上に繋がります。
【影響度:高い】経験:多様なプロダクトと上流工程への関与
どのようなプロダクトに、どの立場で関わってきたかという「経験」も、市場価値を大きく左右します。特に、多様なビジネスモデルや事業フェーズを経験していることは、あなたの対応力や引き出しの多さを示す上で有利に働きます。
- 多様なビジネスモデル:BtoC、BtoB、SaaS、モバイルアプリなど
- 多様な事業フェーズ:新規事業の立ち上げ(0→1)、プロダクトの成長(1→10)、成熟プロダクトの改善(10→100)
- 上流工程への関与:プロダクトの企画、戦略立案、要件定義、ビジネスモデルの設計など
中でも、事業の根幹に関わる「上流工程」の経験は、より戦略的な視点を持つプロダクトマネージャーとして高く評価される傾向にあります。
【実践編】プロダクトマネージャーの市場価値を戦略的に上げる方法
自身の市場価値を構成する要素を理解した上で、次はその価値をどう高めていくか、具体的なアクションプランに移りましょう。ここでは「学習」「経験・実績」「キャリアステージ別戦略」の3つのステップで、市場価値を戦略的に向上させる方法を解説します。
STEP1:スキルと知識を体系的に習得する(学習・資格)
プロダクトマネジメントは実践の学問ですが、体系的な知識をインプットすることで、実践の質を大きく高めることが可能です。
未経験からスキルを伸ばす学習ロードマップは、こちらをご覧ください。
- オンラインコース・書籍
PM Schoolなどが提供する専門コースで、基礎から応用までを学びましょう。また、『INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント』などの名著を読むことも有効です。 - カンファレンス・コミュニティ
業界のカンファレンスに参加して最新のトレンドや事例を学ぶ、プロダクトマネージャー向けのコミュニティに参加して他社のプロダクトマネージャーと交流するなど、外部から刺激を受けることも重要です。 - 資格取得
- PMP® (Project Management Professional):プロジェクトマネジメントの知識体系を証明する国際資格
- 認定スクラムプロダクトオーナー® (CSPO):アジャイル開発、特にスクラムフレームワークにおけるプロダクトオーナーとしての知識を証明する資格
これらの学習を通じて得た知識は、日々の業務における意思決定の質を高め、自信を持ってチームをリードするための基盤となります。
STEP2: 価値ある実績・経験を意図的に積む
市場価値に直結する実績や経験は、ただ待っているだけでは得られません。現職の中で、いかにして価値ある経験を「意図的に」積んでいくかが重要です。
- 新規プロジェクトや課題の多いプロジェクトに自ら手を挙げる
- 事業戦略を決定する会議に積極的に参加し、上流工程の議論に触れる
- 後輩のメンターやチームリーダーの役割を担い、マネジメント経験を積む
といった行動を起こすことで、市場価値の高い経験を積み重ねることが可能です。
STEP3: キャリアステージ別の重点戦略
自身のキャリアステージに応じて、注力すべきポイントは異なります。以下の表を参考に、今あなたがいるステージで何をすべきかを明確にしましょう。
キャリアステージ | 重点戦略 | 目指す姿 |
---|---|---|
ジュニアプロダクトマネージャー |
| 一人前のプロダクトマネージャーとして、自律的に動けるようになる。 |
ミドルプロダクトマネージャー |
| プロダクトの成功に責任を持つ、チームの中心人物。 |
シニアプロダクトマネージャー |
| 経営層と対話し、事業を動かす戦略家。 |
転職を成功に導く!市場価値を最大限に伝えるアピール術
どれだけ市場価値を高めても、それが採用担当者に伝わらなければ意味がありません。ここでは。転職活動という場で、自身の価値を最大限にアピールするための具体的なテクニックを解説します。職務経歴書、面接、給与交渉の3つの局面で、あなたの魅力を効果的に伝えましょう。
「会いたい」と思わせる職務経歴書の書き方
職務経歴書は、あなたという「プロダクト」のランディングページです。単なる業務内容の羅列ではなく、採用担当者が「この人に会ってみたい」と思うような、魅力的な内容にする必要があります。
実績を洗い出せるキャリア棚卸しの進め方は、こちらをご覧ください。
- 成果を定量的に記述する
「何を(What)」したかだけでなく、「なぜ(Why)」それを行い、「どのような成果(Result)」が出たのかを、具体的な数値を用いて記述します。「〇〇機能を企画・導入し、解約率を15%改善した」のように、あなたの貢献度を明確に示しましょう。 - 再現性をアピールする
課題に対してどのような思考プロセスで、どのようなアクションを取り、結果に繋げたのかを記述します。あなたのスキルが、その企業でも通用する「再現性のある能力」であることを示しましょう。 - キーワードを意識する
応募する企業の求人情報(JD)を読み込み、求められているスキルや経験に関連するキーワードを自身の経歴の中に盛り込みます。
面接で価値を証明するSTARメソッド活用法
面接は、職務経歴書に書かれた内容を、あなた自身の言葉で補強し、人柄や思考力を伝える場です。経験を構造的に、かつ説得力を持って説明するために「STARメソッド」を活用しましょう。
- Situation (状況):あなたが置かれていた具体的な状況や背景は何か?
- Task (課題):その状況で、あなたが達成すべきだった目標や課題は何か?
- Action (行動):課題を解決するために、あなたが具体的に取った行動は何か?
- Result (結果):あなたの行動によって、どのような結果が生まれたか?(定量的な成果を忘れずに)
例えば、
「チームのパフォーマンスが低下していた状況(S)で、生産性向上という課題に取り組むことになりました(T)。私はメンバーとの1on1ミーティングを強化し、個々の強みを活かした役割分担を再構築しました(A)。その結果、6ヶ月で生産性が30%向上し、チームの満足度も大幅に改善しました(R)。」
といった形で説明することで、あなたの問題解決能力を効果的にアピールできます。
年収アップを実現する給与交渉の準備とポイント
給与交渉は、あなたの市場価値が正当に評価されているかを確認する重要なプロセスです。自信を持って交渉に臨むために、事前の準備を徹底しましょう。
給与交渉を成功させるための具体的なポイントと例文は、こちらをご覧ください。
- 市場価値の客観的な把握:転職エージェントや給与データサイトを活用し、自身のスキルや経験に見合った年収相場を調査する
- 希望年収の根拠を準備:なぜその年収が妥当だと考えるのか、これまでの実績や貢献できる価値を基に、論理的に説明できるように準備する
- 交渉は内定後に行う:企業側が「ぜひ採用したい」と考えている内定後のタイミングが、最も交渉を有利に進めやすい
- 希望額は幅を持たせて伝える:「〇〇万円~△△万円を希望します」と幅を持たせることで、交渉の余地を残しつつ、最低ラインを示せる
年収だけでなく、ストックオプションや福利厚生、役職など、総合的な条件で判断することも大切です。
まとめ:市場の変化に負けないプロダクトマネージャーとして、理想のキャリアを築こう
プロダクトマネージャーとして転職市場で成功し、理想のキャリアを築くためには、自身の市場価値を客観的に理解し、それを継続的に高めていく戦略的な視点が不可欠です。
本記事で解説した「市場価値を決める要素」を基に自己分析を行い、「価値向上のためのアクションプラン」を日々の業務の中で実践してみてください。そして、転職活動の場では、高めた価値を「アピール術」を駆使して最大限に伝えましょう。
市場の変化は速く、求められるスキルも常にアップデートされていきます。しかし、学び続け、挑戦し続けることで、どんな変化にも負けないプロダクトマネージャーになれるでしょう。この記事が、あなたのキャリアを次のステージへ進めるための一助となれば幸いです。
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