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業界未経験でも大丈夫!プロダクトマネージャー転職を叶える方法

最終更新日:

2025年6月30日

ライター:

PM Career編集部

プロダクトマネージャー転職

業界未経験でも大丈夫!プロダクトマネージャー転職を叶える方法のサムネイル

この記事の監修者

佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。

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はじめに

「プロダクトマネージャー(PdM)への転職に興味があるけど、自分はエンジニアじゃないし、どうするといいんだろう?」

「今のWebディレクターやマーケターの経験って、本当にプロダクトマネージャーの仕事で活かせるのかな?」

そんな風に、キャリアチェンジへの憧れと同時に、見えない壁を感じていませんか?特に「開発経験」というキーワードが、あなたの一歩をためらわせているかもしれません。

本記事では、未経験からの転職を成功させるための具体的なステップ、職種ごとに異なる経験の活かし方、そして採用担当者に響くアピール方法まで、順番に解説します。不安を解消し、プロダクトマネージャーへの道を切り開きましょう。

そもそもプロダクトマネージャー(PdM)とは?仕事内容・年収・将来性を解説

まず、プロダクトマネージャーという職種への理解を深めることから始めましょう。プロダクトマネージャー、通称PM(PdM)は、単なるプロジェクトの進行管理者ではありません。製品やサービスの成功に全責任を負う、まさに「プロダクトのCEO」とも呼べる存在です。

その役割は、アイデアの着想から市場投入、そしてグロースまで、プロダクトのライフサイクル全体に及びます。開発チーム、マーケティング、営業、経営層など、あらゆるステークホルダーの中心に立ち、プロダクトを成功へと導く役割を担います。

「プロダクトのCEO」と呼ばれる役割と責任

プロダクトマネージャーのミッションは多岐にわたりますが、中核となるのは以下の4つです。

  • Why(なぜ作るのか): ユーザーの課題や市場のニーズを深く洞察し、プロダクトが存在すべき理由を定義する
  • What(何を作るのか): 解決すべき課題に基づき、どのような機能や体験を提供すべきかを具体的に決定する
  • How(どう作るのか): エンジニアやデザイナーと協力し、実現可能な開発計画(ロードマップ)を策定し、実行を推進する
  • When(いつ作るのか): 市場のタイミングや事業戦略を考慮し、機能リリースの優先順位を判断する

このように、プロダクトに関するあらゆる意思決定に関与し、その結果に責任を持つことから「プロダクトのCEO」と呼ばれているのです。

プロジェクトマネージャー(PjM)との決定的な違い

プロダクトマネージャー(PdM)とよく混同される職種に、プロジェクトマネージャー(PjM)があります。両者は密接に連携しますが、その役割と責任は明確に異なります。

一言で言えば、プロダクトマネージャーは「正しいプロダクトを創る」ことに責任を持つのに対し、プロジェクトマネージャーは「プロダクトを正しく創る」ことに責任を持ちます。


以下の表で、その違いをより具体的に見てみましょう。

観点

プロダクトマネージャー(PdM)

プロジェクトマネージャー(PjM)

主なミッション

プロダクトの成功とビジネス成果の最大化

プロジェクトの計画通りの完遂

関心事

What(何を)Why(なぜ) を定義する

How(どうやって)When(いつまでに) を管理する

責任範囲

プロダクトのビジョン、戦略、ロードマップ

プロジェクトのスコープ、スケジュール、予算、品質

時間軸

中長期的(プロダクトライフサイクル全体)

短期的(プロジェクト期間内)

主なスキル

市場分析、戦略策定、ユーザー理解、データ分析

進捗管理、リソース管理、リスク管理、コミュニケーション

アウトプット

プロダクトロードマップ、要件定義書、PRD

プロジェクト計画書、WBS、進捗報告書

プロダクトマネージャーの平均年収とキャリアパス

プロダクトマネージャーは、その専門性と事業への貢献度の高さから、IT業界の中でも比較的高収入な職種として知られています。もちろん、経験やスキル、業界、企業規模によって年収は大きく変動します。

プロダクトマネージャーの年収相場と1000万円超えの秘訣は、こちらをご覧ください。

未経験から転職する場合、初年度の年収は500万円~700万円程度がひとつの目安となるでしょう。しかし、そこからのキャリアパスは非常に魅力的です。

キャリアステージ

年収目安

主な役割

アソシエイトPM/ジュニアPM

450万円~650万円

先輩PMのサポートを受けながら、特定の機能や改善タスクを担当。

プロダクトマネージャー

600万円~1,200万円

1つのプロダクトまたは主要機能群の責任者として、戦略から実行までを担う。

シニアプロダクトマネージャー

800万円~1,500万円

複数のプロダクトや複雑なプロダクトライン全体を統括。後進の育成も担う。

VPoP/CPO(最高製品責任者)

1,200万円~

企業全体のプロダクト戦略を策定し、プロダクト組織全体をリードする経営層。

経験を積み、実績を出すことで、年収1,000万円以上を目指すことは十分に可能です。また、将来的には事業責任者や起業家といった道も開ける、将来性の高いキャリアといえます。

未経験からプロダクトマネージャーへの転職は可能!ただし準備が9割

ここまで読んで、「やっぱり自分にはハードルが高そうだ」と感じた方がいるかもしれません。しかし、結論からいえば、未経験からプロダクトマネージャーへの転職は十分に可能です。

ただし、それは決して楽な道のりではありません。人気職種であるため競争は激しく、成功を掴むためには戦略的な準備が9割を占めるといっても過言ではないでしょう。

なぜ今、未経験プロダクトマネージャーの需要が高まっているのか?

近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の波に乗り、あらゆる業界でSaaS(Software as a Service)をはじめとするITプロダクトが事業の中心になっています。この流れに伴い、プロダクトの成功を牽引できるプロダクトマネージャーの需要が急激に高まっています。

しかし、プロダクトマネージャーの育成には時間がかかるため、市場は深刻な人材不足に陥っています。そのため、企業は経験者採用だけでなく、ポテンシャルのある未経験者にも門戸を開き、自社で育成しようという動きを活発化させているのです。まさに今、未経験者にとって大きなチャンスが訪れています。

開発経験は必須ではない!求められる本当のスキルセットとは?

未経験者が最も不安に感じるのが「開発経験がない」という点でしょう。しかし、エンジニアとしてのプログラミング経験は、プロダクトマネージャーにとって必須ではありません。

プロダクトマネージャーに必要なスキル一覧と習得法は、こちらをご覧ください。

実際に、ある大手企業では、プロダクトマネージャーの約45%がビジネスサイド出身の未経験者であるというデータもあります。重要なのは、開発チームと円滑にコミュニケーションを取り、技術的な制約を理解した上で意思決定できることです。

では、開発経験以上に求められる「本当のスキルセット」とは何でしょうか。それは、大きくソフトスキルとハードスキルに分けられます。

ソフトスキル:課題発見力、論理的思考力、コミュニケーション能力

ソフトスキルは、特定の知識というよりも、物事の進め方や人との関わり方に関する能力です。これらは、これまでのどんな職務経験からでも培うことができるポータブルスキルです。

スキル

なぜ重要か?

職務経歴でのアピール方法例

課題発見・解決能力

顧客自身も気づいていない「真の課題」を見つけ出し、プロダクトで解決するため。

「顧客からのクレームを分析し、根本原因を特定して業務フローを改善した結果、クレーム件数が30%減少した」

論理的思考力

データや事実に基づき、なぜその機能が必要なのか、なぜその優先順位なのかを客観的に説明し、関係者を説得するため。

「市場データと売上データを分析し、ターゲット顧客層の変更を提案。その結果、新セグメントでの売上が半年で50%増加した」

コミュニケーション能力

エンジニア、デザイナー、営業、経営層など、立場の異なる人々の「ハブ」となり、プロジェクトを円滑に進めるため。

「異なる部署間の対立を仲介し、共通の目標を設定することで、プロジェクト遅延を回避し、納期遵守率100%を達成した」

ハードスキル:市場調査、データ分析、ワイヤーフレーム作成

ハードスキルは、特定のツールや手法を使いこなす専門的な能力を指します。これらは未経験であっても、学習意欲を示し、自主的に習得することが可能です。

スキル

学習方法の例

市場調査・競合分析

  • 3C分析、SWOT分析、PEST分析などのフレームワークを学ぶ
  • 業界レポートやニュースを読み解く

データ分析

  • SQLの基礎を学ぶ(Progate、Udemyなど)
  • Google AnalyticsやLooker Studioなどのツールに触れてみる

UI/UXの基礎知識

  • UI/UXデザインに関する書籍を読む
  • 使いやすいアプリやWebサイトを分析し、その理由を言語化する

ワイヤーフレーム作成

  • FigmaやAdobe XDなどの無料ツールを使い、自分で簡単な画面設計図を作成してみる

これらのスキルを「知っている」だけでなく、「使って何かを作ってみた」という経験が、面接での強力なアピール材料となります。

【職種別】あなたの経験はこう活きる!現職からのキャリアチェンジ戦略

「自分の経験がプロダクトマネージャーの仕事にどう繋がるのか、具体的にイメージできない。」

そんな方のために、職種別にこれまでの経験をプロダクトマネージャーのスキルとして効果的にアピールする方法を解説します。

Webディレクター・マーケター:「顧客理解」と「データ分析」を武器にする

Webディレクターやマーケターの経験は、プロダクトマネージャーの業務と非常に親和性が高いです。

Webディレクター経験を強みに転職成功する方法は、こちらをご覧ください。

これらの経験がある方は、すでに「顧客視点」と「データドリブン」な思考を実践しているはずです。

活かせる経験・スキル

プロダクトマネージャー業務との関連性

面接でのアピール方法(例)

Google Analytics等での効果測定

KPIを設定し、プロダクトのパフォーマンスを分析・改善する業務に直結。

「GAのデータを基にLPの改善提案を行い、CVRを1.5倍にした経験があります。この分析力を活かし、プロダクトのグロースに貢献できます。」

SEO・コンテンツマーケティング

ユーザーの検索意図を理解し、ニーズに応えるコンテンツを企画する力は、要件定義に不可欠。

「検索キーワード分析からユーザーの潜在ニーズを読み解き、コンテンツを企画してきました。このスキルは、顧客の真の課題を発見する上で役立ちます。」

A/Bテストの実施

仮説検証を繰り返し、プロダクトを改善していくプロダクトマネージャーの基本的な業務サイクルそのもの。

「A/Bテストでボタンの色や文言を最適化し、クリック率を20%向上させました。この仮説検証プロセスを高速で回し、プロダクトの価値を最大化したいです。」

営業・カスタマーサクセス:「顧客の声」をプロダクトに繋げる翻訳者になる

日々顧客と最前線で向き合っている経験は、プロダクトマネージャーにとって何よりの財産です。

カスタマーサクセス経験を活かす転職ロードマップは、こちらをご覧ください。

これらの経験がある方は、開発チームが直接聞くことのできない「顧客の生の声」を知っています。

活かせる経験・スキル

プロダクトマネージャー業務との関連性

面接でのアピール方法(例)

顧客からの要望・クレーム対応

顧客が抱えるリアルな課題(ペイン)を最も深く理解している。

「顧客から『〇〇が使いにくい』という声を多数いただき、その背景にある課題を分析し開発チームにフィードバックしました。この経験を活かし、顧客の声をプロダクトに反映する架け橋になりたいです。」

顧客への課題ヒアリング・提案

顧客のビジネス課題を深く理解し、解決策を提示するプロセスは、プロダクトマネージャーの課題発見・要件定義と同じ。

「お客様の潜在的な課題を引き出し、自社サービスでの解決策を提案することで、大型契約を獲得しました。このヒアリング力で、本当に価値のある機能を提案できます。」

社内調整・折衝能力

顧客と開発部門の間で板挟みになる経験は、多様なステークホルダーを調整するプロダクトマネージャーの業務で活きる。

「顧客の無理な要望に対し、代替案を提示して開発チームと交渉し、双方にとってWin-Winの着地点を見つけました。この調整力を活かしてプロジェクトを円滑に推進します。」

事業開発・サービス企画:「0→1」の経験を武器にプロダクトを創造する

事業やサービスの立ち上げ経験は、プロダクトマネージャーの業務、特に新規プロダクト開発において非常に価値が高いです。これらの経験がある方は、ビジネスの全体像を捉え、ゼロから価値を創造する体験をしています。

活かせる経験・スキル

プロダクトマネージャー業務との関連性

面接でのアピール方法(例)

市場調査・事業計画策定

プロダクトの戦略立案やロードマップ作成に不可欠なスキル。

「新規事業の立ち上げに際し、市場規模や競合を分析して事業計画を策定しました。この経験を活かし、データに基づいたプロダクト戦略を立案できます。」

P/L(損益計算書)管理

プロダクトの収益性を意識し、ビジネスインパクトを最大化する視点を持っている。

「担当事業のP/L責任者として、コスト削減と売上向上の両面から施策を実行しました。常にビジネス成果を意識したプロダクトマネジメントを実践したいです。」

0→1の立ち上げ経験

不確実性の高い状況下で、仮説検証を繰り返しながら事業を前に進める経験は、プロダクトマネージャーのコア業務そのもの。

「SmartMeetingの立ち上げ経験から、MVP(Minimum Viable Product)を迅速に開発し、顧客からのフィードバックを元に改善を繰り返す重要性を学びました。」

未経験からのプロダクトマネージャー転職:4つのステップ

では、具体的に何から始めればよいのでしょうか?未経験からプロダクトマネージャーへの転職を成功させるための、具体的な4つのステップを解説します。

Step1:知識のインプット|おすすめ書籍・学習サイト

まずは、プロダクトマネージャーとしての共通言語と基礎体力を身につけることが最優先です。知識がゼロの状態では、自分の経験をアピールすることも、面接官の質問に答えることもできません。

  • Inspired:書籍。プロダクトマネージャーのバイブル。プロダクト開発の考え方や哲学を学べる必読書。
  • Lean UX:書籍。ユーザー体験(UX)を軸にした無駄のない開発手法が学べる。
  • PM Schoolプロダクトマネージャー専門のオンライン講座。体系的なカリキュラムと実践的な課題で、即戦力スキルを学べる。

これらのリソースを活用し、少なくとも1ヶ月は集中的に学習時間を確保しましょう。

Step2:経験の棚卸し|プロダクトマネージャースキルへの変換術

次に、これまでのキャリアを振り返り、プロダクトマネージャーとして活かせるスキルや経験を「翻訳」する作業です。自分の職務経歴書を、プロダクトマネージャーの求人票で使われている言葉に書き換えるイメージを持つと良いでしょう。

このステップで有効なのが、STARメソッドです。経験を「状況(Situation)」「課題(Task)」「行動(Action)」「結果(Result)」の4つの要素で整理することで、具体的で説得力のある自己PRを作成できます。

  • S (Situation): どのような状況で、どんな役割でしたか?
  • T (Task): どのような課題や目標がありましたか?
  • A (Action): その課題・目標に対して、あなたが具体的に何を行いましたか?
  • R (Result): あなたの行動によって、どのような成果(できれば定量的)が出ましたか?

このフレームワークに沿って、これまでの実績を3〜5つ程度、書き出してみましょう。これが職務経歴書や面接での強力な武器になります。

Step3:ポートフォリオ作成|熱意とポテンシャルを示す最強の武器

未経験者にとって、ポートフォリオは職務経歴書以上に重要かもしれません。なぜなら、ポートフォリオは、言葉だけでは伝わらない「思考力」と「熱意」を可視化できる最強の武器だからです。完璧なものである必要はありません。あなたのポテンシャルを伝えることが目的です。

プロダクトマネージャー転職のポートフォリオ作成術は、こちらをご覧ください。

何を載せる?実務経験がない場合のポートフォリオ作成例

実務経験がない場合、以下のようなテーマでポートフォリオを作成するのがおすすめです。

  1. 架空プロダクトの企画書
    • 自分が「こんなサービスがあったらいいな」と思うものを題材に、プロダクトの企画書を作成する
    • 「誰の」「どんな課題」を解決するのか、ターゲットユーザー、競合との差別化ポイント、主な機能、簡単なビジネスモデルなどをまとめる
    • 思考のプロセスが伝わるように、なぜその結論に至ったのかを丁寧に記述する

  2. 既存サービスの改善提案
    • 普段使っているアプリやWebサービスを取り上げ、「自分ならこう改善する」という提案をまとめる
    • 現状の課題を分析し(例:UIが分かりにくい、特定の機能への導線が悪いなど)、具体的な改善案(ワイヤーフレームなど)と、それによって期待できる効果(例:離脱率の低下、利用率の向上)を提示する

  3. 個人開発のプロダクト(学習記録でも可)
    • もし可能であれば、NoCodeツール(Bubble、STUDIOなど)や簡単なプログラミングで、小さなプロダクトを実際に作ってみる
    • 完成品でなくても、「こんなものを作ろうとして、ここまで学習・実装しました」というプロセスを見せるだけでも、高い学習意欲と行動力をアピールできる

差がつくポイント:課題設定から解決策までの思考プロセスを可視化する

採用担当者が見たいのは、最終的なアウトプットの完成度だけではありません。むしろ、「どのように課題を設定し、情報を集め、分析し、解決策を導き出したのか」という思考のプロセスそのものです。

  • なぜその課題が重要だと考えたのか?
  • どのような情報やデータを参考にしたのか?
  • 複数の選択肢の中から、なぜその解決策を選んだのか?

これらの思考の過程をドキュメントにまとめ、ポートフォリオに含めることで、あなたのプロダクトマネージャーとしてのポテンシャルを強く印象付けられます。

Step4:転職活動の実践|未経験歓迎求人の探し方とエージェント活用術

準備が整ったら、いよいよ実際の転職活動に移ります。やみくもに応募するのではなく、戦略的に進めることが重要です。

未経験歓迎の求人は、転職サイトで「プロダクトマネージャー 未経験」「PdM ポテンシャル採用」といったキーワードで検索すると見つかります。しかし、より質の高い情報を得て、効率的に活動を進めるためには、転職エージェントの活用が不可欠です。

特に、PM Careerのようにプロダクトマネジメント領域に特化したエージェントは、以下のような強力なサポートを提供してくれます。

  • 非公開求人の紹介:一般には公開されていない、未経験者向けの優良求人を紹介してもらえる
  • 書類添削・面接対策:プロダクトマネージャーの視点から、あなたの経歴やポートフォリオをブラッシュアップしてくれる
  • キャリア相談:あなたの強みや志向性に合った企業を提案し、長期的なキャリアプランの相談に乗ってくれる

【事例で学ぶ】未経験からのプロダクトマネージャー転職、成功者たちのリアルな声

理論だけでなく、実際に未経験からプロダクトマネージャーへの転職を成功させた先輩たちの声を聞くことは、大きな励みになります。

事例1:28歳 Webディレクター → SaaS企業プロダクトマネージャー「データ分析力を武器に年収150万UP」

項目

詳細

転職者

Aさん(28歳・男性)

前職

中小Web制作会社でWebディレクター(経験5年)

転職前の課題

受託制作が中心で、納品後のサービス成長に関われず、やりがいを感じにくくなっていた。年収も頭打ち感があった。

転職活動での工夫

  • 担当したECサイトのGAデータを分析し、「購入フローの離脱率が高い」という課題を発見。改善案とワイヤーフレームをまとめたポートフォリオを作成。
  • 面接では「データに基づき仮説を立て、実行する」というプロダクトマネージャーの基本動作を自身の経験談として語った。

転職後

BtoB SaaS企業のプロダクトマネージャーとして、顧客からのフィードバックと利用データを分析し、機能改善の優先順位付けを担当。

成果

担当機能の利用率を半年で40%向上させることに貢献。年収は550万円から700万円にアップ。

Aさんは、Webディレクターとして培ったデータ分析力と課題発見能力を、ポートフォリオを通じて具体的に示すことで、実務経験のなさをカバーし、見事転職を成功させました。

事例2:31歳 営業 → FinTech企業プロダクトマネージャー「顧客折衝力を活かし、プロダクト改善のハブに」

項目

詳細

転職者

Bさん(31歳・女性)

前職

大手SIerで法人営業(経験8年)

転職前の課題

顧客の課題をヒアリングしても、それを製品開発に直接活かす立場になく、もどかしさを感じていた。より事業の根幹に関わりたいと考えるように。

転職活動での工夫

  • 職務経歴書に、担当顧客からヒアリングした課題と、それに対する提案内容を具体的に記述。
  • 面接では「顧客の生の声を開発チームが理解できる言葉に翻訳し、両者の架け橋となる」という自身の提供価値を強くアピール。
  • SQLやAPIの基礎知識を自主的に学習し、学習ノートをポートフォリオの一部として提出。

転職後

FinTechスタートアップで、決済サービスのプロダクトマネージャーに。カスタマーサクセスチームと連携し、顧客ヒアリングを主導。

成果

顧客からの要望を機能要件に落とし込み、2つの新機能をリリース。顧客満足度調査のスコアが15%向上。年収も650万円から750万円に。

Bさんは、営業で培った圧倒的な顧客理解力とコミュニケーション能力を強みとしてアピールし、技術面のキャッチアップ意欲を示すことで、ポテンシャルを高く評価されました。

採用担当者はここを見る!面接で差がつく頻出質問と回答のコツ

書類選考を突破すれば、次はいよいよ面接です。ここでは、未経験者の面接で特に重要となる3つの質問と、その回答のポイントを解説します。

プロダクトマネージャー転職の面接の頻出質問と回答例は、こちらをご覧ください。

質問1:「なぜプロダクトマネージャーになりたいのですか?」【熱意と再現性を見られている】

これは、あなたのプロダクトマネージャーという職種への理解度と熱意を測る質問です。単に「面白そうだから」「成長できそうだから」といった漠然とした答えでは不十分です。

NG例:
「ユーザーに喜ばれるプロダクトを作る仕事に魅力を感じました。成長市場で自分の価値を高めたいです。」

OK例:
「前職の営業でお客様から『この機能があれば業務がもっと楽になるのに』という声を何度も聞いてきました。しかし、その声を開発に届ける術がなく、もどかしい思いをしました。そのため、プロダクトマネージャーとして顧客の真の課題を解決する当事者となり、事業成長に直接貢献したいと考えています。特に御社の〇〇というプロダクトは、△△という点で顧客の課題解決に貢献しており、私の経験を活かして更なる価値向上を実現できると確信しています。」

ポイントは、自身の原体験と結びつけ、「なぜプロダクトマネージャーでなければならないのか」「なぜこの会社なのか」を具体的に語ることです。

質問2:「好きなプロダクトとその理由を教えてください」【プロダクトマネージャーとしての視点を見られている】

この質問で、面接官はあなたがプロダクトを単なる「消費者」としてではなく、「作り手」の視点で分析できるかを見ています。

NG例:
「LINEが好きです。無料で通話やメッセージができて便利だからです。」

OK例:
「私が優れていると感じるプロダクトは『Notion』です。このプロダクトは『あらゆる情報を一元管理したい』というユーザーの普遍的な課題を、ブロックという独自の概念で解決しています。当初は個人利用が中心でしたが、チームでの共同編集機能やAPI連携を強化することで、法人利用にも対応し、見事に市場を拡大しました。もし私がNotionのプロダクトマネージャーなら、次は〇〇という機能を追加することで、△△という新たなユーザー層を獲得できると考えます。」

ポイントは、「誰のどんな課題を」「どのように解決しているか」「ビジネスとしてどう成功しているか」「自分ならどう改善するか」という4つの視点で語ることです。

質問3:「過去の経験で、困難を乗り越えたエピソードは?」【課題解決能力を見られている】

これは、あなたの課題解決能力やストレス耐性、主体性を見るための質問です。ここでもSTARメソッドが役立ちます。

回答のポイント:

  • Situation (状況):どのような難しい状況だったか
  • Task (課題):あなたに課せられたミッションは何か
  • Action (行動):課題解決のために、あなたが主体的に何をしたか
  • Result (結果):その行動がどのようなポジティブな結果(定量的だと尚良し)に繋がったか

成功体験だけでなく、「失敗から何を学び、次どう活かしたか」というエピソードも、あなたの成長意欲を示す上で非常に有効です。

プロダクトマネージャー転職に関するQ&A

最後に、未経験者が抱きがちな細かい疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q. 30代からでも未経験でチャレンジできますか?

A. はい、可能です。むしろ30代ならではの強みがあります。

20代の若手にはない、豊富なビジネス経験やマネジメント経験は大きな武器になります。例えば、部下や後輩の育成経験はチームを率いるリーダーシップに、予算管理の経験は事業視点を持ったプロダクト運営に直結します。

30代の転職では、これらのポータブルスキルを前面に押し出すことが重要です。

Q. 取得しておくと有利な資格はありますか?

A. 必須の資格はありませんが、学習意欲のアピールとして有効なものはあります。

プロダクトマネージャーの仕事に直結する必須資格というものは存在しません。しかし、以下のような資格は、あなたの知識とスキル、そして学習意欲を客観的に証明する助けになります。

資格分類

具体的な資格例

プロジェクトマネジメント系

PMP® (Project Management Professional)、認定スクラムマスター(CSM)

IT・開発知識系

ITパスポート、基本情報技術者試験

データ分析系

統計検定、G検定(ジェネラリスト検定)

資格取得そのものが目的ではなく、そこで得た知識を「どうプロダクトマネジメントに活かすか」を語れることが重要です。

Q. 未経験者を採用している企業はどうやって見つければいいですか?

A. 「ポテンシャル採用枠」や「関連職種」を狙うのが効果的です。

転職サイトで「プロダクトマネージャー 未経験」などと検索する以外にも、いくつか探し方があります。

  • アソシエイトプロダクトマネージャー(APM)
    プロダクトマネージャーの補佐的な役割からキャリアをスタートするポジションです。未経験者向けの登竜門として設置している企業が増えています。

  • プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)
    プロダクトの市場投入戦略や販売促進を担当する職種で、マーケティング経験者が転身しやすいキャリアです。

  • 転職エージェントに相談する
    未経験者歓迎の非公開求人を紹介してもらえる可能性が最も高い方法です。プロダクトマネージャーに特化したエージェントであれば、業界の動向や企業ごとの採用スタンスも熟知しています。

まとめ:次はあなたの番!プロダクトの未来を創る第一歩を踏み出そう

業界未経験からプロダクトマネージャーへの転職は、決して平坦な道ではありません。しかし、それは乗り越えられない壁ではなく、正しい知識と戦略、そして情熱があれば必ず越えられる山です。

この記事が、あなたの新たなキャリアへの第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。プロダクトを通じて世の中に価値を届け、未来を創る。そんなエキサイティングな世界が、あなたを待っています。

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