LangGraphとは丨生成AI 用語集
最終更新日:
2025年7月11日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発

この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
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LangGraphとは?
LangGraph(ランググラフ)は、複雑な対話フローや状態遷移を伴う生成AIアプリケーションを構築するためのマルチエージェント・フレームワークです。LangChainの拡張として開発され、会話の流れやエージェントの挙動を状態機械(State Machine)の形式で制御できることが大きな特徴です。
LangGraphの役割と特徴
LangGraphは、LangChainの基盤を活用しながら、以下のような高度な処理を可能にします。
- 状態遷移による制御
各処理(ノード)を状態として定義し、条件に応じてどの状態に遷移するかを制御できます。これにより、複雑な会話や分岐ロジックを視覚的かつ明示的に設計できます。 - ループや条件分岐の柔軟な実装
通常のLangChainでは困難な「ある条件が満たされるまで繰り返す」「条件に応じて別の処理に進む」といった構造が、LangGraphでは簡潔に表現できます。 - エージェントの協調動作
複数のAIエージェントが状態ごとに役割を担い、連携してタスクを解決するようなフローが設計可能です。
具体的なユースケース
LangGraphは次のような用途に適しています。
- 複数ステップのタスク処理(例:FAQ+要約+翻訳)
- 条件に応じたフローの切り替え(例:ユーザーの入力によって回答プロセスを変える)
- マルチエージェント協調(例:調査担当と出力担当の分業)
これにより、単純なチャットボットにとどまらず、柔軟性の高いAIワークフローの実装が可能になります。
LangGraphとLangChainの関係
LangChainはプロンプト、ツール呼び出し、チェーン構築を中心としたライブラリであり、LangGraphはそれを状態遷移ベースのフレームワークとして補完する役割を担っています。LangGraphを使うことで、LangChainベースのアプリケーションに対してフロー制御と構造的な再利用性を加えることができます。