Transformerとは?丨生成AI 用語集
最終更新日:
2025年7月4日
ライター:
PM Career編集部
プロダクト開発

この記事の監修者
佐々木真
PM Career事業責任者(Xアカウント @shin_sasaki19)
株式会社リクルートにて「スタディサプリ」の初期メンバーとして事業開発・プロダクトマネージャー業を担当し全国展開を達成後、SmartHRのグループ会社としてToB向けSaaS「SmartMeeting」を立ち上げ2021年3月に退任。その後PMオンラインスクール「PM School」、プロダクト開発人材の転職サイト「PM Career」の事業を運営中。プロダクト開発の知見・人材の流動性を高め、日本のプロダクト作りをぶち上げるべく尽力中。個人としてもX(Twitter)アカウントのフォロワーは3万人超え、YouTubeやPodcastでもプロダクト開発のコンテンツを発信する日本で最も有名なプロダクト開発者の1人。
今すぐ転職をしたい人も、中長期的にしたい方も、PM Careerに無料会員登録をしておくことでキャリアに役立つ情報を定期的にキャッチアップすることが重要です。まだ登録されてない方はこちらからどうぞ。3分で完了します。
PM Careerに無料会員登録する
転職についての情報はこちらをご覧ください!
Transformerとは?
.png&w=2048&q=75)
Transformerとは、2017年にGoogleの研究者らが発表した自然言語処理モデルのアーキテクチャ(構造)です。従来のRNN(再帰型ニューラルネットワーク)やLSTM(長短期記憶)といった手法では処理が難しかった「長文の関係性の理解」や「並列処理の非効率さ」といった課題を、Transformerは画期的に解決しました。
最大の特徴は「自己注意機構(Self-Attention)」という仕組みにより、文章全体の単語同士の関係を一度に捉えられる点です。
Transformerが注目される理由
1. 高精度な自然言語処理
Transformerは文脈を深く理解できるため、文章生成、翻訳、要約などで非常に高い精度を発揮します。
2. 並列処理による高速性
RNNのように一語ずつ順番に処理するのではなく、すべての単語を同時に処理できるため、学習や推論が高速になります。
3. 多様な応用可能性
自然言語処理だけでなく、画像認識や音声認識、さらには医療や創薬分野でも応用が広がっています。
Transformerの構造(ざっくり)
Transformerは、以下のような構成要素から成り立っています。
- エンコーダー(Encoder):入力文を理解するパート
- デコーダー(Decoder):出力文を生成するパート
- 自己注意機構(Self-Attention):単語間の関係性を加味して重みづけする仕組み
- 位置エンコーディング(Positional Encoding):単語の順序情報を補う仕組み
これらが複雑に連動することで、文脈を理解しながら適切な出力ができるようになります。
代表的なTransformerベースのモデル
Transformerは、多くの有名なAIモデルの基盤として利用されています。たとえば、
- BERT:Googleが開発した双方向型の言語理解モデル
- GPTシリーズ:OpenAIが開発した文章生成に特化したモデル
- T5:Googleが開発したあらゆるタスクをテキストとして統一的に扱うモデル
これらはすべて、Transformerの構造をもとに設計されています。
プロダクトマネージャーにとってのTransformerの意味
プロダクトマネージャーにとって、Transformerは単なる技術用語ではありません。たとえば以下のような活用が考えられます。
- カスタマーサポートの自動化(AIチャットボット)
- FAQやマニュアルの自動生成
- ユーザーの声の分類や要約
- 多言語対応の自動翻訳システム
これらを実現する基盤技術としてTransformerを理解しておくことで、AIプロダクトの企画や導入をより的確に判断できるようになります。
まとめ
Transformerは、AIによる自然言語処理の精度と速度を大きく引き上げた革新的な技術です。その仕組みは複雑でも、私たちが日常的に使っている生成AIの裏側で確実に活躍しています。プロダクトにAIを活用したいと考えている方は、Transformerの役割や可能性をぜひ押さえておきましょう。